2012年4月より約9か月にわたり、京都工芸繊維大学の学生と5年後の結婚式を考えるプロジェクトをスタートさせました。
実際に、5年後にマーケットの中心にいる学生が考えていくことで、その世代にフィットした、そして既存にはないアイデアを発信し、そこから未来のブライダルへのヒントを見つけることを目的としたプロジェクトです。
学生たちはこのテーマのもと、主体的に取り組みを開始。同世代の学生たちへのヒヤリング、自ら設計した定量調査などを繰り返し、また、社会動向も深く洞察しながら、自分たちにフィットする結婚式のカタチを話し合ってきました。
そしてアイデアを出し、そのニーズも確認したうえで最終的に3案をアウトプットしました。
いずれも、彼らがメインターゲットとなる時代のヒントが散りばめられています。
自分たち世代ならではの結婚式の探究を続け、学生らしい既成概念にとらわれないアイデアが出てきました。もちろん、彼らのアイデアをそのまま現在の結婚式に用いることはできないかもしれません。しかし、提案の中に散りばめられているエッセンスを見出し、考察することで新しい結婚式のカタチをつくる大きなヒントになっていくと思います。
彼らの根底には“「ゲストが楽しんでいること、そしてストレスなく参加してくれること」が自分も楽しい”という志向がうかがえます。自分軸で披露するという概念は影をひそめ、せっかく来てくれるゲストが最後まで心地よくいられることが大切だと言えます。例えば、一見「内輪」の話となりうるような家族との儀式は、ゲストの前ではやらず、パート分けをする。彼ら世代独特のアプローチかもしれません。
また、コミュニティの多分化やフラット化など彼ら独特の関係性も、今後のブライダルの変化の兆しと言えるかもしれません。逆に、それらの価値観をしっかりとらえて、先手を打ってアプローチしていくことが未来のブライダルマーケットにとってますます重要になっていきます。今後も、様々なカタチで未来のブライダルを探求し、より幸せな結婚式とは何かを考えていきたいと思います。