リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

【京都工芸繊維大学×ブライダル総研】ぼくらのケッコンPROJECT

2012年4月より約9か月にわたり、京都工芸繊維大学の学生と5年後の結婚式を考えるプロジェクトをスタートさせました。
実際に、5年後にマーケットの中心にいる学生が考えていくことで、その世代にフィットした、そして既存にはないアイデアを発信し、そこから未来のブライダルへのヒントを見つけることを目的としたプロジェクトです。

テーマは「5年後(わたしたち世代に輝く結婚式)」の提案

学生たちはこのテーマのもと、主体的に取り組みを開始。同世代の学生たちへのヒヤリング、自ら設計した定量調査などを繰り返し、また、社会動向も深く洞察しながら、自分たちにフィットする結婚式のカタチを話し合ってきました。
そしてアイデアを出し、そのニーズも確認したうえで最終的に3案をアウトプットしました。
いずれも、彼らがメインターゲットとなる時代のヒントが散りばめられています。

学生たちの本プロジェクト企画書を見る(PDF)

【提案1】複数回披露宴

「コミュニティの多文化」というキーワードから生まれた提案。SNSやスマートフォンの普及などにより“ほしい情報をお互いに簡単に送り合える”そんなやりとりが当たり前の環境の中に育ってきた世代。相手との関係やその時の目的に応じてSNSを使い分け、自分たちがより過ごしやすい環境(コミュニティ)をどんどん増やしていきます。そんなコミュニティへの価値観をもつ若者が、5年後に挙げたい結婚式とはどのようなカタチか。
「コミュニティの多分化」という切り口から生まれる新しい結婚式のカタチの提案です。

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【提案2】みんなで楽しみを共有する結婚式

横社会で生きて来たこの世代は、みんな平等であり、競争することもなく育って来た世代。自分の事だけを考えずにみんなの事を考えられる心優しい世代とも言えます。そんな彼らや彼女たちが結婚式をする時は、来てくれた人みんなに楽しんで欲しいと願うはず。その楽しさや幸福感というものは、一方通行ではなく双方向で、幸せをみんなで共有しようと考える、そんな志向性が反映された結婚式のカタチの提案です。

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【提案3】家族型コンテンツ

たくさんの背景からわかってきたこの世代の家族関係。世の中の傾向として、家族を大切にする結婚式は増えているが、現状ではまだまだ家族と言いつつもスポットライトを浴びているのは両親だけにとどまっています。この世代が大切にしたいのは本当に両親だけなのか。大切にしているからこそ結婚式でどのようにすれば良いのか。様々な疑問と調査から生まれた「家族式」。従来の結婚式とはちょっと違うカタチの提案です。

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プロジェクトを終えて

 自分たち世代ならではの結婚式の探究を続け、学生らしい既成概念にとらわれないアイデアが出てきました。もちろん、彼らのアイデアをそのまま現在の結婚式に用いることはできないかもしれません。しかし、提案の中に散りばめられているエッセンスを見出し、考察することで新しい結婚式のカタチをつくる大きなヒントになっていくと思います。
 彼らの根底には“「ゲストが楽しんでいること、そしてストレスなく参加してくれること」が自分も楽しい”という志向がうかがえます。自分軸で披露するという概念は影をひそめ、せっかく来てくれるゲストが最後まで心地よくいられることが大切だと言えます。例えば、一見「内輪」の話となりうるような家族との儀式は、ゲストの前ではやらず、パート分けをする。彼ら世代独特のアプローチかもしれません。
 また、コミュニティの多分化やフラット化など彼ら独特の関係性も、今後のブライダルの変化の兆しと言えるかもしれません。逆に、それらの価値観をしっかりとらえて、先手を打ってアプローチしていくことが未来のブライダルマーケットにとってますます重要になっていきます。今後も、様々なカタチで未来のブライダルを探求し、より幸せな結婚式とは何かを考えていきたいと思います。