リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

七夕Wedding ~みんな笑顔のSpecial Day!!~

まだ要望も漠然としている新郎新婦に、
当日を具体的にイメージしていただきたい

國立 紗希子(こくりゅう さきこ)さん
KING OF BECKAM(愛知県名古屋市)

プランナー歴2年。看護師として5年勤めた後、学生時代からの憧れだったプランナーの仕事にどうしても就きたいと転職。営業部を経てプランナーに。今回の案件が、プランナーとして施行打合せを任された初めてのウエディング。

提案内容や当日の雰囲気を伝える、写真と手書きでつくった二つのシート。

 この結婚式で私は、2つのシートを使って提案を行いました。まず一つ目が、イメージシートです。ご見学時にうかがった二人のやりたいことから、楽しんでいただけそうなことを具体的に集めて、写真を切り貼りし、提案やコメントを書き加えて作成したものです。二人の希望は、「ゲストにきてよかったと思ってもらう」「ゲストも自分たちも結婚式を楽しめる」「一体感のある式にしたい」というものでした。こうした漠然としたイメージを、できるだけ具体的なものに置き換えて、二人が想像できるようにします。たとえば、試食で好評だったメニューを中心にゲストの注目を集めるオリジナルのウエディングケーキなどを提案。巨大バルーンや二人のサプライズ登場、待ち合いスペースに新郎のシューズコレクションや思い出グッズを展示など。一体感は、挙式でのリングリレーやガーデンを使ってゲストとゆっくり一緒に時間を過ごすといった提案をしました。このイメージシートを見た二人はとても喜んでくださり、「なんだか、ぎゅっと心をつかまれたような気がします」と、嬉しいコメントをくださいました。
 二つ目のシートは、コンセプトシートです。ご契約後の1回目の打ち合わせでは、二人からたくさんのご要望がでました。やりたいことはたくさんありましたが、すべてを盛り込むには時間が足りず、一貫性もありません。そこで、これらのご要望から、「アットホーム」「参加型」「七夕」「明るく楽しく」といったキーワードを抽出し、より具体的な演出やコーディネート案をまとめて、コンセプトシートを作成。「七夕ウエディング」というコンセプトを中心に、個別性のあるプランニングや一貫性のあるプログラムの提案を目指しました。また、二人の願いもコンセプトの軸に置きたいと思い、サブタイトルを「みんな笑顔のスペシャルデイ」にしました。

新郎新婦の希望にそって写真を切り貼りし、提案やコメントを手書きで書き加えたイメージシート。まだ漠然としている二人に、当日のイメージを膨らませていただく。さらにテーマと具体的な演出案のつながりをイメージしやすいコンセプトシート(上)も作成。

一貫性を感じられるように、テーマにそった演出をバランスよく配置。

 実際、会場には七夕の雰囲気のでる笹を飾り、受付の時間を利用して、ゲストの方に短冊に願いごとを書いて飾っていただきました。二人にも、七夕風に誓いの言葉を短冊に書いて、笹につけて入場していただいたり、会場装花は直線的な竹をつかって、七夕をイメージしたお花にしたり。ペーパーアイテムも、星や天の川をモチーフにしたデザインにしました。ケーキも星形にイチゴの天の川。お料理では鮮やかなグリーンアスパラガスの竹笹や、星形にアレンジしたデザート。その後、会場を突然暗転させ、ゲストにお配りした光るブレスレットをふって、天の川のきらめきをつくったり。テーマにそった演出をバランスよく配置して、一貫したテーマ性を感じていただけるようにしています。

大きなハートのシュー生地がポイントの人気のデザートを、テーマの七夕に合わせて星型にアレンジ☆

二人のことを知ろうとする姿勢を何より大切にしたい。

 私が一番大切にしたことは、お客様のことを知ろうとする姿勢です。220通を超えるメールのやり取りや、雑談の中のどんな些細な情報でもメモしたり、お客様のことや、勤務先のHPなどもすみずみまで調べました。そこから、思い出の四国旅行ではまったスダチサワーをゲームの景品にしてはどうか、など、こちらもイメージシートにはってサブ提案をしました。採用されるかどうかよりも、お客様のことを知ろうとした気持ちが伝わればいいなという思いからです。自分と人とは違うのですからわからなくて当たり前ですが、その上でわかろうとする姿勢、その努力こそが相手に伝わるのだと、今回の関わりの中で感じることができました。挙式後に、二人から手作りのイメージシート風サンクスシートをいただきました。この結婚式にこめた思いが、想像以上に伝わったことがとても嬉しかったです。

お客様を知ろうとする姿勢は必ず伝わる

 お客様のことを知ろうとする姿勢の大切さと結婚式という形ないものを表現する難しさと楽しさを学べた結婚式でした。私は決して、トークが上手でもコミュニケーションが上手だとも思いません。しかし、お客様に対して一生懸命に接することで、お客様は必ずそれを感じ取って、喜んでいただけるということを学びました。今回学んだお客様への姿勢、関係性をもとに、これからも頑張っていきたいと思います。

審査員の目

 自分たちの漠然とした要望が、話す端からどんどんビジュアルなカタチになって出てくる!新郎新婦にとって、それはどんなにワクワクする瞬間だったことでしょう。聞いてもらえている、理解してもらえている、そんな想いがプランナーへの強い信頼に変わり、記憶に残る結婚式が実現できたのだということを強く感じさせられる発表でした。(2011年9月30日更新)