リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

GIFT-All for Thank you-

各セクションがプランナーと同じ温度感で作る想いこそが
2人の希望を何倍ものかたちにし、心を動かす結婚式を作る。

籔田 宏美(やぶた ひろみ)さん
ラグナヴェールアトリエ(東京都)

一緒に結婚式を創る仲間はもちろん、自分自身に関わってくださる方に「ありがとう」をたくさん伝えることを心がけています。そして「ENJOY WEDDING!」を合言葉に日々楽しみながら仕事をしています☆

自身の式を諦めたお母様へのベールと、ゲストへの手紙
どれもが特別なGIFTに

 ゲストを想像しながら結婚式を準備する時間は、まるで贈り物探しのよう。「結婚式は最幸のGIFT」と私は考えています。

 今回担当した2人の希望は「感謝を伝えること」。しかし2人の感謝の想いを深堀りしていくと、新婦とご両親は結婚式に必要性を感じていないことがわかりました。聞けばお母様は、自身の結婚式をつわりで諦めたとのこと。そこで私は、ご両親にサプライズでバージンロードを歩いてもらおうと提案。結婚式だからこそ伝わる想いがあることを、ご両親にも知ってもらいたかったからです。さらに新婦にお母様用のウエディングベールに「Thank You」と刺繍することを提案。この一手間で、ありがちな挙式プレゼントではなく、感謝の想いを届ける最幸のGIFTになるはず。当日。親御様がチャペルの扉を開けると、ベールを手にした新婦が。感謝の言葉とともに、ひと針ひと針縫われたビーズが光るベールを渡すと、サプライズに涙するお母様。それを着けて、お父様と32年越しのバージンロードを歩かれました。

新婦が『Thank You』と刺繍したウエディングベールを着けて、嬉しそうなお母様。感謝の想いを届ける最幸のGIFTになりました。

最幸のGIFTにするために全員が一体となり生まれた「グラスレター」

 節目ごとに新郎が新婦に手紙を書くと聞いたことがヒントになり、ゲストへの感謝は、手紙に込めることに。時を超えて想いが届く……手紙にはそんな力があります。

 しかし、どのような特別感をもって手紙をゲストに渡すかは難題でした。一人づつお料理をサーブするようにお渡ししたいが、それでは時間がかかり過ぎます。その時、デザートと一緒に出そうとアイディアをくれたのは、日頃結婚式を熱く語り合うサービスリーダーでした。何組もの施行やトラブルを共有する中でリーダー同士の結束がチームワークを生むと学び、「プランナーが決めたことをサービスにやってもらう」という間柄ではなくなったからこその連携。通常、間に人が入ると想いは届きにくくなりますが、結婚式では人が介在することで、想いが増幅して伝わります。手紙をグラスに入れ、中からランタンのようにLEDで照らすという、ロマンティックなアイディア。それは2人の気持ちを同じ温度で感じ、考えてくれた証でした。さらに別のサービスキャプテンは、テーブル全員に同時にグラスレターを提供することで、ゲストが一斉に仕掛けに気づくよう、チーム体制を整えてくれたのです。その瞬間を最幸のGIFTにするために全員が一体となりました。

 当日、グラスレターに目を凝らすゲスト。温かい笑顔に、2人の感謝が伝わったと感じました。きっとこの手紙は、2人とゲストをつなぐGIFTになるに違いありません。

あたたかな光に浮かび上がる、お二人からの手紙。「あれ・・・、みんな違うの?」と目を凝らすゲストの表情もほころびます。

プランナーだけの力ではない「新郎新婦×ALL」こそが
心を動かす結婚式を作る方程式

 私は誰よりもお客様を幸せにする自信と覚悟を持っていました。でも、目の前のお客様だけを幸せにできればいいわけではありません。会場のゲストすべてをお客様と考え、1人ではできない結婚式をみんなで作る。社内だけでなく会場や会社を越えてこの思いを共有することで、もっと多くのお客様を幸せにできると思います。

 3月、世界は一変しました。でも結婚式がなくならない方法があります。心を動かし続ける結婚式を、「新郎新婦×ALL」で作り続けていくこと。できない時に助け合い、足りない時に膨らませてくれるのは、プランナーだけでないチームの力です。プランナー一人ひとりがこの当たり前ではない環境で、当たり前にこの想いを持つことができれば、業界の炎は消えない。私はそう信じています。

「新婦様にお手渡しください」と、籔田さんが渡したブーケを手にしたお母様。ご自身にも花嫁姿になっていただきたいとの想いからでした。

評価のポイント

 「感謝を伝えたい」という新郎新婦の願いも、両親へのサプライズやゲストへの手紙といった演出も、ある意味でとてもありふれたものかもしれません。でも二人にとってこれが唯一無二だと思えるのは、一人一人違う「感謝」の色合いや手触りを籔田さんがしっかり捉え、伝え方のディティールをとことん考え抜いたから。また一人で抱え込まず、チームを頼り、その力を引き出すことで最高のものを作り出すそのスタンスに、ブライダルの未来を感じました。