リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

結婚担当研究員: 寺崎 仁詞

変わらぬ目的と多様に広がるウェディングパーティのカタチ
1人1人に合ったウェディングパーティを選択できる時代へ

「誕生」「結婚」「死」。これらは人生において大きな3つの出来事とされる。

人は人生において様々な人と出会い、影響・恩恵を受ける。昨今のテクノロジーの進化に代表される社会的影響を受け、人と人との関係性は範囲を容易に広げることができる一方で、希薄になっているともいわれる。

しかし、コミュニティという概念が存在する限り、そもそもの「人と人との繋がり」がなくなることはなく、その意味では影響や恩恵を受けることに変わりはない。

そして、「誕生」「結婚」「死」。この人生の大きな3つの出来事の中で、自分たちから一同に感謝の気持ちを発信することができ、一同から祝福される機会は「結婚」をするときのみである。実際に結婚時に実施したいこととして、「結婚を機に誰かと関わりを持ちたい」という人は90.1%(※)にも上り、更に紐解いていくとお世話になった人に「感謝の気持ちを伝えたい」「祝福してもらいたい」「繋がりや絆を確かめ合いたい」というニーズが多くを占める。まさにそのニーズを叶える手段が「ウェディングパーティ」である。実際にウェディングパーティを実施してよかったという人は97.4%(※)に上り、ニーズを叶える有効な手段として機能しているといえる。

一方で「ウェディングパーティの意向はあるが、実施していない」という層も全体の中で僅かに存在する。

この層を紐解いてみると、「ゲストとの気を遣わない関係性」が強く作用しているということがみえてきた。つまり、「感謝を伝えたい」・「祝福してもらいたい」という根底のニーズは存在するものの、気を遣うゲストまで招待することで自分らしくいられないという心理が働いていると考える。この心理とリンクしていると思われる昨今のトピックスに、若手社員の「職場の忘年会スルー」というトピックスがある。この事象を深く探ると、「気を遣う上司や先輩と忘年会をするぐらいであれば、同期や仲の良い同僚と忘年会をしたい」といった発言がよくでていた。つまり、「職場の忘年会」自体を敬遠しているのではなく、「誰と実施するか」で参加するか否かを判断しているのだ。

そういった判断軸がウェディングパーティの検討においても反映されていると考えられる。

特に今の若者は「自分らしくいられること」を重視する傾向にあるため理解できる。

しかし、現在ウェディングパーティのカタチも広がってきている。もちろん複数のコミュニティから関係者を呼び、大人数で形式的に実施することがまだまだ主流であることは事実だが、1つの選択肢として、自分らしくいられる親しい仲間だけでスタイルに捉われないパーティを実施することも可能だ。加えて昨今の時代背景とも相まって枠組に捉われない多様なニーズに対応するウェディングパーティの事例も多く存在する。例えば、高砂を無くす、親が末席ではない所に配置をする、さらには、自分たちで誓いの言葉を考える、式場ではなく思い出の場所で実施する、お日柄を気にしない、平日の夜に実施する、などまさに1人1人に合ったウェディングパーティを選択できる時代になっているのだ。

多くのカップルがもつ結婚を機に人生で関わった人たちに「感謝を伝えたい」「祝福して欲しい」「絆を更に深めたい」という不変の目的や想い。それを2人にとって理想のウェディングパーティによって実現できたとき、より良い状態で「夫婦」という次のライフステージに向かうことができると確信している。

※出典:
結婚総合意識調査2019(リクルートブライダル総研調べ)
ゼクシィ結婚トレンド調査2019(リクルートブライダル総研調べ)