リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

結婚担当研究員: 山岡 あやり

妊娠期の活用が育児環境を整えるカギ。
より良い子育てライフを過ごすための事前準備の大切さとは。

「子ども」と聞いてどんなイメージが思い浮かぶだろう。
「成長を見るのが楽しそう」「子どもってかわいいだろうな」という思いと共に、「子育ては大変そう」というイメージが思い浮かぶ。最近、2019年の出生人数がついに90万人を割り込む推定となり、想定よりも2年も早く少子化が進んでいることが話題となったが、「子育てが大変そう」というイメージの先行が、少子化に影響している可能性もある。
実際に、半数以上の夫婦(※1)が、「子育てに苦労した」と回答しており、やはり子育てに悩む夫婦が多いことがうかがえる。

では、どのように育児の大変さを軽減するのか。それは、妊娠期をうまく活用することではないかと思う。リクルートブライダル総研が実施した「出産・育児調査2019」によると、育児期満足度が高い女性の家庭では、妊娠期間に環境を整え、家事・育児の協力体制を決めるなど、夫と話し合っている割合が高いことが分かった。出産後は子ども中心の生活となりえ、夫婦で話し合う時間を取りづらくなることが想定される。自分たちで時間をコントロールしやすい出産前のタイミングで子育ての方針や協力体制などを夫婦で事前に話し合い、子育てが始まったタイミングでは、その時の状況に合わせて最適化させていくことが重要だといえそうだ。
そして、もう一つ重要な要素として調査結果に表れているのが、「子どもが生まれる前に、互いに家事・育児の練習や学びを行うこと」である。協力体制を決めることは正直難しいことではない。難しいのは子どもが生まれた後にその協力体制を実働させることである。例えば、夫婦で一緒にキッチンに立ってみるでもいいだろうし、両親学級に積極的に参加してみる、子どもが生まれた後の生活をイメージしたスケジュールで生活してみるなど、口約束ではなく実際に体験してみることで経験を積むことができる。
単に決めただけでは、期待値と実際にできたことのギャップが双方の不満につながる可能性がある。一緒に経験・練習をすることで、知識やスキルを共有し、お互いに何がどこまでできて、何が得意か、さらにどのくらいの関わり方が自分たちにとっての良いバランスかを把握でき、最適な協力体制を組むことが可能なり、実際に子育てが始まったときのスムーズな運用につながっていくと考えられる。
また加えて言えば、子どもが生まれる前に準備をしておくことで、対応の選択肢も広げられる。例えば、夫婦だけでは手が足りない時のために、両親に協力を事前に取り付けておく、一時保育の場所を探しておくなど、何かあったときのための選択肢を準備しておくことで、いざ何かあった時に焦らず、複数の選択肢から最適な手段を選ぶことができる。

もちろん、想定外のこともたくさんあり、事前のすり合わせや準備だけですべての子育ての大変さを払拭できるわけではないだろう。しかしながら、子どもが生まれる前の時間をうまく使い、戦略的に育児期間を見立てておくことで、より充実した育児ライフにつながるのではないだろうか。

※出典:
夫婦関係調査2019(リクルートブライダル総研)
出産・育児調査2019(リクルートブライダル総研)

担当研究員
研究員山岡 あやり(ヤマオカ アヤリ)
和歌山県出身、金融機関リテール営業を約5年経験し、2013年にリクルート入社。
トレンド調査シリーズ、結婚総合意識調査などの各種調査を担当。
調査・研究結果をもとにしたセミナーやライフデザイン講座など講演多数。