リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

金井 良子ブライダル総研GWA事務局

2011年に「GOOD WEDDING AWARD」を立ち上げ、以来プロデューサーを務める。「いい結婚式のプランニング」を考える勉強会も開催中!

藤井 菜実さんアージェントパルム(所属:株式会社ブラス)

プランナー14年目。以前先輩が登壇したことでGWAを認識。いつかファイナリストに!と思い続け、今年グランプリを受賞。

荻原 良美さんセント・ラファエロチャペル 御堂筋

産休をはさみつつ、プランナー歴は15年。いつか登壇してみたいと思いながらも勇気が出せず、今年初めてエントリー。

東海林 恵さん浦安ブライトンホテル東京ベイ

プランナー4年目。婚礼課へ異動になって見に行ったGWAの最終審査会に、衝撃を受けた。自身は昨年からエントリーしている。

弦田 れい愛さんララシャンスKOBE

プランナー5年目。昨年は、社内で全員参加となったため応募したが、今年は賞を獲りたいと強い気持ちでエントリーした。

婚式のレポートではなく、熱意の込もったストーリーを

金井
まず、今回の発表を見た感想を教えてください。
東海林
全体を通して、今だけをとらえるのではなく、未来まで意識したプランニングが多かったことが心に残りました。先を見据えるという点が、勉強になりましたね。2人の要望をそのままカタチにするだけでなく、何気ない一言からヒントを見つける大切さも学びました。
荻原
私も「過去と未来をつなぐ」という裏テーマを感じました。
弦田
コロナ禍での皆さんの気持ちや奮闘を知ることができたのが、一番ありがたかったです。
金井
置かれている状況は同じなので、参考にしてもらえる発表が多かったと思います。ご自身はエントリーする結婚式はどのように選ばれましたか?
東海林
信頼関係が一度崩れたり、私自身落ち込んでお客様と会うのも怖いと思う時期があったりといろいろあったので、悩むことなくそのお2人がすぐ浮かびました。
弦田
私は、全盲のお2人についてエントリーしました。来館直前まで全盲とわからず、急遽対応したり、ゲストにも15名全盲の方がいたりと、初めてのことばかりで困難も多かったので、その案件を選択しました。
荻原
遠距離のお2人に、大阪と香川で1日に2度結婚式を挙げる提案をしたことをエントリー。会場探しからのスタートやお2人との関係構築、仲間の支えなど、忘れられない結婚式でした。
藤井
この1年間はどのお客様もいろいろあり、すべての案件についてエントリーシートを書き起こせるほどでした。その中でお2人を選んだのは、「新しい提案、ワクワクしますね」と言ってもらえたことが大きかったから。私自身の未来を明るくしてくれる一言でした。結婚式はなくなるなどと言われる中、業界全体が自分の仕事の価値に不安を感じていたと思います。でもこうして新しいことを提案し続ければ、結婚式はなくならないんだと確信できました。
金井
今回、結婚式っていいものだ、これから変われる、というメッセージが浮かび上がってくるようなエントリーが多く見受けられました。エントリーシートは、いつからどんなふうに準備しましたか?
弦田
業務的になかなか手がつけられず、締切日に仕上げました。1日3時間で1週間ちょっと。添削もしてもらいました。
東海林
業務のすきま時間でやるのは難しいと思い、アポのない日をGWAデーに設定。業務と切り離して取り組みました。まとめるのが難しく、先輩・同僚に相談したりも。金井さんのエントリーシート書き方講座の「プランナーの介在価値シート」が重宝しました。整理しやすかったです。
藤井
私も東海林さん同様GWAデーを5日ほど設けました。4月の中旬から少しずつ日程を確保。エントリーシートがほぼ完成した状態で金井さんの講座を見て修正しました。それまではわかりやすく書くことが目標でしたが、熱意を込めて書くことの重要性を知ることができ、講座がとても参考になりました。
金井
あの講座で一番伝えたかったのは、「式のレポートではなく、あなたのストーリーを書いてください」だったので嬉しいです。
荻原
計画性をもって臨もうと思っていましたが、業務との同時進行は困難でした。社内でアドバイスし合うことがなかったので、第三者チェックをしてもらえばよかったです。
金井
次回以降はぜひ。エントリーシートに意見し合うのって勉強になるんです。書いてあることがちゃんと伝わるかのチェックにもなるので、添削・アドバイスはおすすめですよ。
藤井
私は第三者チェックを、あえて後輩数人にお願いしました。自分より知識や経験がない人にも伝わるように書けているかを知るためです。
金井
それは素晴らしい秘訣ですね。

省や自己肯定、周囲への感謝
エントリーシートは棚卸し

金井
エントリーシートを書く上での苦労や工夫は何かありましたか?
東海林
難しく考え過ぎてしまい全項目を埋めなければ、と必死でした。
金井
全項目書かなくても、書きたい項目だけで大丈夫ですよ。
藤井
自分の会場を知らない人たちに、どうイメージを伝えられるかが毎回難しいです。今回は、自分の無力さを知り、最終的には前向きになれたことを書きたかったので、感情の変化と結婚式の進化が伝わるよう工夫しました。心がけたのは、読み終えた時にどう感じてもらいたいか、を意識して書くこと。私がお客様の一言で気持ちが明るくなったように、読んだ人にもそう感じてもらえるよう組み立てました。電話で金井さんから「気持ちが明るくなった」と言われて、よし!と思いました(笑)。
金井
結婚式って2人やゲストの感情をどう動かすかを考えながら創るものですが、それに通ずるものもありますね。読み手の気持ちにどう変化を起こして、どのような読後感で終わらせたいのかをプランニングするということ。エントリーシートでビフォー・アフターをいかに伝えられるかは、重要なカギですね。
弦田
私はまず写真選択をしてから書き始めました。文章をまとめるのには大苦戦しましたが。
金井
最初に写真を集めて、伝えたいことのイメージをふくらませてから文章に落とすのも、いい方法ですね。写真のないエントリーシートがたまにありますが、やはり写真はあったほうが伝わりやすいと思います。
東海林
書きたいことが膨大で、取捨選択もなかなかできず、文字量が多くなってしまいました。小説の挿絵のようにほっこりしてもらえれば、とイラストも描いてみました。
金井
500件以上のエントリーを読む中で、東海林さんのイラストには癒されました。文字に大小をつけたり色とりどりにしたりするのも、読みやすいですね。
東海林
社内でほかの人のエントリーシートを回覧しているので、それも勉強になりました。
弦田
私が注力した点は、社内の過去の受賞者のエントリーシートを読むこと、添削をしてもらうこと、感情移入できる曲をかけながら書くことでした(笑)。
金井
エントリーシートを書く作業って、仕事を棚卸しするいい機会ですよね。あらためて気づいたことはありましたか?
弦田
書きながら最も思ったのは、「もっとできたな」でした。やっている当時は全力でしたが。
荻原
「棚卸し」という言葉のとおり、自分のプランニングを振り返って見つめ直すいいきっかけになりました。いざ書いてみると自分の反応が淡泊に思えることも多く、うまく伝えきれていなかったかもなぁと反省しました。逆に反省や後悔だけでなく、やってよかった点も再確認できました。
金井
自分をほめてあげる機会にもなるんですね。大事だと思います。
東海林
私は書いていて悔しい気持ちがあふれ出し、あらためて自分の不甲斐なさを感じました。反省が多かったけど、自分の成長も少しは認めてあげられるといいなと思います。
藤井
普段当たり前に行っているプランニングを文字に起こすことで、振り返りもできるし、次の成長にもつなげられる。それがエントリーシートだと思います。私は今回、書くことで周囲の人たちのあの一言がなければこの結婚式はなかったんだとあらためて認識し、チームに恵まれて結婚式を創れていることを実感できました。ベテランになろうとも、いろんなアドバイスを受けながらでなければ、結婚式を進化させることはできません。書きながら、チームへの感謝も芽生えました。
金井
あらためて、まわりがしてくれたことに気づくことができるという効能もあるんですね。
今日のお話は、たくさんの方にも伝えたいと思います。どうもありがとうございました。
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