リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

コロナ禍における婚姻延期の考察
(婚姻延期に関する調査より)

2021年11月15日、最新のプレスレターをリリース!
そこから読み取れるマーケットやカスタマの変化を所長が解説します。

調査概要 2021年9月17日~9月21日、全国の20歳代~40歳代の女性40000人に対しインターネット調査を実施。『平成27年国勢調査』を用いて年代別構成比をもとにウエイトバック処理を行った。
出典記入方法 調査結果の出典については「婚姻延期に関する調査(リクルートブライダル総研調べ)」と必ずご記入ください。

コロナ禍において 24.7%が婚姻延期・取りやめを決断
背景に「親へのあいさつ」と「結婚式」ができないカップルの悩み

  • 今回の調査では、2020年に婚姻予定(※)だった人のうち、24.7%が延期および取りやめを決断。2019年の延期・取りやめ(9.7%)から15ポイント上昇しており、その多くはコロナの影響が背景にあるものとみられる
  • 婚姻を延期もしくは取りやめたカップルの理由は、1位「双方の親にあいさつができない」(29.3%)、「その他」を除いて 2位、3位が「結婚式ができない」(「結婚式が予定通りの時期に実施できない」(15.7%)、「自分たちの望む結婚式ができない」(13.9%))。接触・移動・人数制限を強いられたコロナ禍ならではの状況が浮き彫りに
  • 特に「結婚式ができない」と回答した層は、「祝いの機会への切望」「規範意識」「ゲストへの配慮」が強いことがうかがえる

結婚(入籍)したおよびする予定の人

Press Letter ダウンロード

Press Letter2021/11/15 更新

所長による注目ポイント

世の中を様変わりさせた新型コロナウイルス感染症は、結婚や出産といったライフイベントに大きく影響を及ぼしています。2020年の婚姻組数は大きく減少(525,507 組、前年比△12.3%)。日本ではいわゆる「婚外子」の割合が低いため、婚姻組数の減少は先々、出生数のさらなる減少を招く要因となる可能性があります。

今回、コロナ下で婚姻を延期・取りやめた層を「婚姻あとずさり層」と定義し、実際に2020年に婚姻を延期もしくは取りやめた人の理由を探るべく、緊急調査を実施しました。結果は別途示した通りですが、コロナ禍という「人との接触ができない」「移動制限がある」といった特殊な状況ならではの理由が上位を占めています。

特に注目したのは、「その他」を除いて2位、3位となった「結婚式ができない」という回答です。緊急事態宣言下での人数や時間の制限など社会的に実施しにくい側面があったのはもちろんのこと、当該層の声を拾うと、婚姻という人生の一大イベントにおける「祝いの機会」を大切にし、「結婚式が思い通りにできないのならば、婚姻を少し延期しよう」という苦渋の決断があったという実態が初めて見えてきました。

また、この「結婚式ができない」という理由は、1位の「双方の親にあいさつができない」とも共通して、ある種の「規範意識」が根底にある層が多いことが背景にあると考えられます。婚姻の前の親あいさつや、婚姻に近い時期の結婚式といった順番を大切にしたいとの考えは根強いとみられ、どちらも周囲への報告やあいさつの機会を大切にしたいとの気持ちの表れだとみられます。

少子化が日本の社会課題の一つとして捉えられて久しい中、コロナ禍においても出生数減少のニュースが報じられています。ブライダル業界が感染対策を徹底することを前提に、今後、結婚式実施を支援していくことも我が国の人口減少を食い止める一助になると考えています。

関連する総研リサーチニュース

データご利用の際の注意点

出典元を明記していただければ、基本的にご利用いただけます。出典元の記載方法についてはこちらをご覧ください。また、ご使用に際して「株式会社リクルートお問い合わせ窓口」までご一報ください。

お役立ちリンク集

人口について

日本の人口構造に
ついて知りたい①
国勢調査報告(総務省統計局)
性別・年齢別、国籍・配偶関係・世帯・教育程度等、就業状態・産業・職業社会経済分類、収入の種類、市区町村等の人口データ
日本の人口構造に
ついて知りたい②
住民基本台帳人口移動報告(総務省統計局)
市区町村が作成した性別・年齢別の人口、世帯数、1年間の人口動態データ
最新の人口分布を
知りたい
推計人口(総務省統計局)
国勢調査実施年以外の10月1日現在の年齢別、県別、性別の人口データ
日本の将来の人口と
推移を知りたい
将来推計人口データベース(国立社会保障人口問題研究所)
100年先までの日本の人口を都道府県別・市区町村別等の予測データ
人口に関する
様々なデータを知りたい
人口統計資料集(国立社会保障人口問題研究所)
人口に関する主なデータついて一覧掲載
世界の人口分布と
推移を知りたい
世界の統計(総務省統計局)
国連やWHOの統計に基づいた世界の人口データ

婚姻組数について

婚姻組数・再婚組数の
推移を詳しく知りたい
人口動態調査(厚生労働省)
婚姻・離婚等の組数データ。出生死亡等も扱う。
婚姻組数の長期的な
変遷とトピックスを知りたい
人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」(厚生労働省)
婚姻の動向についての分析結果
将来の婚姻組数の
予測が知りたい
婚姻組数予測(リクルート ブライダル総研)
ブライダル総研作成婚姻組数予測(2015年9月更新)

結婚と結婚生活について

夫婦の家庭での役割・
生活意識の変化を知りたい
家庭動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)
家庭の出産、子育ての現状、家族関係の実態資料
結婚・出産・就業への動きを
属性別に知りたい
21世紀成年者縦断調査(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚、出産、就業等の実態及び意識のトラッキング調査
男女の出会い~結婚~
出産の変遷を知りたい
出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚と夫婦出生力の実状・背景の調査資料

消費動向について

時事の社会的テーマから
消費を読み解きたい
国民生活白書(内閣府)
内閣府が毎年1回まとめて発表する、国民生活全般についての動きや変化を分析した年次報告書

結婚式場運営について

個人サービス産業の
動向が知りたい
特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)
結婚式場業の最新の売上高・取扱件数・従業員数等の調査結果
個人サービス産業の
主要指標を見たい
特定サービス産業実態調査(経済産業省)
結婚式場業の事業所数、就業者数、年間売上高等の調査結果
About us ブライダル総研について
「リクルート ブライダル総研」は、恋愛、結婚、家庭生活全般に関する調査・研究、未来への提言を通じて、ブライダルマーケットの発展と社会課題の解決に貢献することを目的として活動しています。