リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

出産・育児調査

2019年10月17日に、最新の調査結果をリリース!
そこから読み取れるマーケットやカスタマの変化について、担当研究員が解説します。

調査概要 全国の20~49歳の既婚男女(本人・配偶者ともに初婚)で、3歳以下の同居末子がいる方を対象に、出産・育児に関する実態や意識を調査しました。
出典記入方法 「出産・育児調査2019(リクルートブライダル総研調べ)」と必ず明記ください

妊娠・出産期、育児期の満足状況

妊娠・出産期から育児期にかけて満足割合が低下。特に男性よりも女性の変化が大きく、6.0pt低下している

  • (男性)妊娠・出産期 66.7%→育児期 65.6%(1.1pt減少)
  • (女性)妊娠・出産期 69.8%→育児期 63.8%(6.0pt減少)

女性の育児期満足度と妊娠期活用

育児期満足度が高い女性は、不満を感じる女性と比較し、妊娠期間を利用し育児に向けた準備をしている割合が高い。特に子どもが1人目の場合は、「事前準備」や「夫へ具体的な学びを促す」割合の差が大きい。妊娠期間の有効活用が、その後の育児満足に影響する可能性が高い

育児期満足者と不満者の差がある上位5項目:

  • <全体>「出産・育児に備えて、部屋の掃除・模様替えを行った」 「家事・育児の協力体制を決めた」 「出産・育児に関する情報収集を行った」 「歯医者や美容院へ行くなど、自分の体のメンテナンスを行った」「配偶者に家事について学び・練習を促した」
  • <子どもが1人目>「出産・育児に備えて、部屋の掃除・模様替えを行った」「出産後に行きたい場所ややりたいことの計画を立てた」「家事・育児の協力体制を決めた」「配偶者に家事について学び・練習を促した」「配偶者に育児について学び・練習を促した」「育児に役に立ちそうな勉強をした」
  • <子どもが2人目以上>「歯医者や美容院へ行くなど、自分の体のメンテナンスを行った」「出産・育児に関する情報収集を行った」「出産・育児に備えて、部屋の掃除・模様替えを行った」「家事・育児の協力体制を決めた」「配偶者に家事について学び・練習を促した」

育児期満足度が高い女性は、「家事・育児分担」「子どもの育て方」など、出産後のプランについて夫と考え方のすり合わせを実施する割合が高い。「出産後」はもちろん、「妊娠から出産までの間」にもすり合わせを行うことが、育児期満足度に影響する可能性が高い

配偶者と確認・相談した割合(育児期満足者と不満者の差):

  • 「出産後の夫婦の家事・育児分担について」
    結婚前 1.6pt/結婚から妊娠まで 4.2pt/妊娠から出産まで 13.8pt/出産後に確認・相談した 10.1pt
  • 「子どもの育て方について」
    結婚前 1.2pt/結婚から妊娠まで 6.1pt/妊娠から出産まで 10.9pt/出産後に確認・相談した 19.6pt

育児期満足度と家事・育児分担の経年変化

育児期満足状況の経年変化をみると、男性の育児期満足者は65.6%で、2018年調査から2.7pt増加し、女性よりも変化が大きい

  • (男性)2018年 62.9%→2019年 65.6%(2.7pt増加)
  • (女性)2018年 62.1%→2019年 63.8%(1.7pt増加)

女性の家事・育児の高負担割合(女性9割以上)が減少。夫の家事・育児に対するかかわり方に変化の兆し

【女性が9割以上負担している割合】

  • (家事)2018年 53.0%→2019年 48.8%(4.2pt減少)
  • (育児)2018年 47.5%→2019年 44.0%(3.5pt減少)

担当研究員の注目ポイント!

妊娠・出産期、育児期の満足度は、期が移り変わるにつれ、変化している実態が浮き彫りになりました。その変化は男性よりも女性の方が大きく表れており、生活や環境の変化が女性の負担増につながっていると考えられます。
妊娠・出産期よりも低くなりがちな育児期満足度においては、妊娠・出産期の時間をいかにうまく活用するかによって、その後の満足度に影響する可能性があります。
育児期満足度が高い女性は、妊娠・出産期に、子育てがしやすい環境を整え、家事・育児の協力体制を決めるなど、夫と話し合いをしている割合高く、加えて、夫に家事・育児の学びを促す割合も高いことがわかりました。
出産後は子ども中心の生活となりえ、夫婦で話し合う時間を取りづらくなることが想定されます。自分たちで時間をコントロールしやすい出産前のタイミングで子育ての方針や協力体制などを事前に話し合い、子育てが始まったタイミングでは、その時の状況に合わせて最適化させていくことが重要だといえそうです。
また、決めるだけではなく、事前に家事の経験や育児の練習しておくこともポイントのようです。経験・練習をすることで、お互いに何がどこまでできて、何が得意なのかを知ることができるので、最適な協力体制を組むことが可能となりますし、実際に子育てが始まったときのスムーズな運用にもつながるのではないでしょうか。
また、男性の育児期満足度が2018年調査から増加しています。
子どもが生まれた後、女性が家事や育児を9割以上負担している割合が減少しており、男性の家庭へのかかわり方が変化していることから、男性も家事や育児への関わりが増すことで、主体者としての自覚が高まり、育児期満足度に影響している可能性があります。
共働きが一般的な近年においては、「育児は妻がやるもの」という意識が変化し、出産・育児への夫の参加に対して関心が高まっていきています。実際に育児が始まる前に、夫婦でどう育児をしていくのかをすり合わせ、実働できるよう事前準備をしておくことで、より満足度の高い、育児生活につながっていくのではないでしょうか。

データご利用の際の注意点

出典元を明記していただければ、基本的にご利用いただけます。出典元の記載方法についてはこちらをご覧ください。また、ご使用に際して「株式会社リクルートお問い合わせ窓口」までご一報ください。

お役立ちリンク集

人口について

日本の人口構造に
ついて知りたい①
国勢調査報告(総務省統計局)
性別・年齢別、国籍・配偶関係・世帯・教育程度等、就業状態・産業・職業社会経済分類、収入の種類、市区町村等の人口データ
日本の人口構造に
ついて知りたい②
住民基本台帳人口移動報告(総務省統計局)
市区町村が作成した性別・年齢別の人口、世帯数、1年間の人口動態データ
最新の人口分布を
知りたい
推計人口(総務省統計局)
国勢調査実施年以外の10月1日現在の年齢別、県別、性別の人口データ
日本の将来の人口と
推移を知りたい
将来推計人口データベース(国立社会保障人口問題研究所)
100年先までの日本の人口を都道府県別・市区町村別等の予測データ
人口に関する
様々なデータを知りたい
人口統計資料集(国立社会保障人口問題研究所)
人口に関する主なデータついて一覧掲載
世界の人口分布と
推移を知りたい
世界の統計(総務省統計局)
国連やWHOの統計に基づいた世界の人口データ

婚姻組数について

婚姻組数・再婚組数の
推移を詳しく知りたい
人口動態調査(厚生労働省)
婚姻・離婚等の組数データ。出生死亡等も扱う。
婚姻組数の長期的な
変遷とトピックスを知りたい
人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」(厚生労働省)
婚姻の動向についての分析結果
将来の婚姻組数の
予測が知りたい
婚姻組数予測(リクルート ブライダル総研)
ブライダル総研作成婚姻組数予測(2015年9月更新)

結婚と結婚生活について

夫婦の家庭での役割・
生活意識の変化を知りたい
家庭動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)
家庭の出産、子育ての現状、家族関係の実態資料
結婚・出産・就業への動きを
属性別に知りたい
21世紀成年者縦断調査(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚、出産、就業等の実態及び意識のトラッキング調査
男女の出会い~結婚~
出産の変遷を知りたい
出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚と夫婦出生力の実状・背景の調査資料

消費動向について

時事の社会的テーマから
消費を読み解きたい
国民生活白書(内閣府)
内閣府が毎年1回まとめて発表する、国民生活全般についての動きや変化を分析した年次報告書

結婚式場運営について

個人サービス産業の
動向が知りたい
特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)
結婚式場業の最新の売上高・取扱件数・従業員数等の調査結果
個人サービス産業の
主要指標を見たい
特定サービス産業実態調査(経済産業省)
結婚式場業の事業所数、就業者数、年間売上高等の調査結果
About us ブライダル総研について
「リクルート ブライダル総研」は、恋愛、結婚、家庭生活全般に関する調査・研究、未来への提言を通じて、ブライダルマーケットの発展と社会課題の解決に貢献することを目的として活動しています。