リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

夫婦関係調査

2021年8月3日に、最新の調査結果をリリース!
そこから読み取れるマーケットやカスタマの変化について、担当研究員が解説します。

調査概要 全国の「未婚者かつ本人が初婚」および「離婚経験のある独身者(離婚経験1回)の20~60代男女を対象に、夫婦関係の満足度や夫婦関係に対する考え方など、結婚後の夫婦の意識と行動について把握できる調査です。
出典記入方法 「夫婦関係調査2021(リクルートブライダル総研調べ)」と必ず明記ください

既婚者の約7割は夫婦関係に満足。
コロナ禍により「夫婦関係満足度」は共働き世帯で上昇した一方、
専業主婦世帯・兼業主婦世帯の妻は下降傾向に。

各世帯の定義は以下の通り
専業主婦世帯:現在の夫婦の形態が専業主婦(主夫)
兼業主婦世帯:現在の夫婦の形態が兼業主婦(主夫)(パートタイム勤務:配偶者の扶養内)
共働き世帯:現在の夫婦の形態が共働き

夫婦関係の満足状況

夫婦関係に満足している割合は67.2%で、4年前と同水準。

新型コロナウイルス感染拡大による「夫婦関係満足度」への影響

夫は40代を除く全年代で、満足度が「上がった」と回答した割合が「下がった」と回答した割合を上回った。
一方、妻は40代以降の全ての年代で、満足度が「下がった」と回答した割合の方が「上がった」と回答した割合を上回るという逆の結果に。夫婦の就業形態が影響したとみられる。

  • 「専業主婦世帯」では、夫の満足度は上がるが妻は下がる傾向。「兼業主婦世帯」では夫・妻共に下がる傾向に。「共働き世帯」では妻・夫共に満足度が上がる傾向となった。
  • コロナ禍において、夫と共働き世帯の妻の「テレワーク利用」頻度が高い一方、専業主婦世帯、兼業主婦世帯では「家事時間」が増加した妻が減少した妻を大きく上回っており、「心理的ストレス」と「身体的疲労感」の増加割合が高い。
  • コロナ禍により夫婦関係満足度が上がった人は、夫・妻共に「配偶者に感謝の気持ちを伝える」「1時間以上の夫婦二人での会話」を行っている頻度が高い。妻側では「配偶者は家事をする」「配偶者は育児をする」「夫婦二人で同じ部屋で一緒に寝る」の頻度も高かった。

結婚時に行ったことと夫婦満足度との関係

結婚時に、結婚を機に実施するイベントを経験した人は、それらを経験していない人よりも、夫婦関係に満足している割合が高い。各イベントを通して、互いの人間関係や育ってきた環境、価値観のすり合わせをする機会が得られ、相互理解が深まるきっかけになっている。

夫婦の呼び方ランキング

夫婦の互いの呼び名は、夫・妻共「名前」がトップ。年代が下がるにつれて割合が高まる傾向に。

担当研究員の注目ポイント!

コロナ禍は、夫婦関係に何をもたらしたのか?

2020年春、新型コロナウイルス感染拡大により、家や仕事場での過ごし方が大きく変化。「コロナ離婚」なる言葉を耳にすることも。その後約1年がたち、コロナ禍も少しずつ日常になりつつある今、さて夫婦はどんな状態なのか? それが今回の調査で最も知りたかったことです。

まず、全体の「夫婦関係満足度」は約7割と、これまでと大きな変化はありません。しかし、「コロナ禍による影響」を直接聞いた質問からは、さまざまな変化が見えてきました。中でも特徴的だったのは、夫婦の就業形態によって「夫婦関係満足度」の変化がそれぞれ大きく異なったこと。共働き世帯は夫・妻共に満足度が上昇した一方で、兼業主婦世帯では夫・妻共に満足度が下降する結果に(専業主婦世帯では、夫は上昇、妻は下降)。

背景をたどると、勤務形態の変化が見えてきます。夫側と共働き世帯の妻は総じて時差出勤やフレックスタイム・テレワークの利用頻度が上がり、自宅で過ごす時間が増える一方、専業主婦世帯、兼業主婦世帯の妻はさほど変化がなく、夫が家にいることで家事時間が増え、一人で過ごす時間が減り、ストレスが増え、夫婦関係への満足度も下がったのでしょう。また、いつも家に妻がいる専業主婦世帯とは違い、兼業主婦世帯では変わらず妻がパートタイムなどに出勤しているとすると、夫側も家事・育児の負担が増え、「夫婦関係満足度」が下がったとも見ることができます。家で家事をする妻を日常的に見る機会が増え、総じて夫側の「家事分担への納得度」が上昇している中で、兼業主婦世帯の夫のみ、納得度が下降している点を興味深く感じました。

しかしもちろん、就業形態にかかわらず、コロナ禍で「夫婦関係満足度」が上昇している夫婦はたくさんあります。その特徴を見ると、とにかく「1時間以上の夫婦二人での会話」や「配偶者に『ありがとう』と感謝の気持ちを伝える」ことを頻度高く行っていること! 今のように不安や変化が多い状況では、とにかくコミュニケーション量を増やし、ポジティブな感情を互いに直接届けあうことが何より大切なのだと強く感じます。もし今、夫婦関係に何かしら不安を感じておられる方は、ぜひお試しください。

結婚式などの結婚時のイベントは、夫婦の始まりにおいて、さまざまなことを二人で話し、家族観や生活観などの価値観をすり合わせる機会になっているからこそ、その後の関係に良い影響を与えているのかもしれません。そう思えば、夫婦の時間を増やしてくれるコロナ禍は、夫婦関係を改めて見直し、バージョンアップする絶好の機会。今を共に乗り越えられたら、夫婦関係はもっともっと強いものになる、そう確信しています。

「夫婦の呼び方」に見る、時代の変化

今回、2011年の初回調査よりちょうど10年ということで、「夫婦の呼び方」の変化にも注目してみました。
当時と集計方法が異なるため参考値ではありますが、「他人に話すときの配偶者の呼び方」に興味深い変化が。

まず、20代夫による「嫁・嫁さん」呼びが大幅に減少し、「名前」呼びがトップに。同時に「妻」「奥さん」という呼び方も増えました。 20代妻による「旦那・旦那さん」呼びが減少し、「名前」「夫」呼びが増加しています。また、妻の全世代で「主人」呼びが減少。特に50代・60代妻による減少が大きく、代わりに「旦那・旦那さん」呼びが増えています。夫を「主人」と呼ぶことに、広い世代で抵抗を感じるようになっているとも考えられ、夫婦や男女の関係性が確実に変化していることを感じさせる結果となりました。

データご利用の際の注意点

出典元を明記していただければ、基本的にご利用いただけます。出典元の記載方法についてはこちらをご覧ください。また、ご使用に際して「株式会社リクルートお問い合わせ窓口」までご一報ください。

お役立ちリンク集

人口について

日本の人口構造に
ついて知りたい①
国勢調査報告(総務省統計局)
性別・年齢別、国籍・配偶関係・世帯・教育程度等、就業状態・産業・職業社会経済分類、収入の種類、市区町村等の人口データ
日本の人口構造に
ついて知りたい②
住民基本台帳人口移動報告(総務省統計局)
市区町村が作成した性別・年齢別の人口、世帯数、1年間の人口動態データ
最新の人口分布を
知りたい
推計人口(総務省統計局)
国勢調査実施年以外の10月1日現在の年齢別、県別、性別の人口データ
日本の将来の人口と
推移を知りたい
将来推計人口データベース(国立社会保障人口問題研究所)
100年先までの日本の人口を都道府県別・市区町村別等の予測データ
人口に関する
様々なデータを知りたい
人口統計資料集(国立社会保障人口問題研究所)
人口に関する主なデータついて一覧掲載
世界の人口分布と
推移を知りたい
世界の統計(総務省統計局)
国連やWHOの統計に基づいた世界の人口データ

婚姻組数について

婚姻組数・再婚組数の
推移を詳しく知りたい
人口動態調査(厚生労働省)
婚姻・離婚等の組数データ。出生死亡等も扱う。
婚姻組数の長期的な
変遷とトピックスを知りたい
人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」(厚生労働省)
婚姻の動向についての分析結果
将来の婚姻組数の
予測が知りたい
婚姻組数予測(リクルート ブライダル総研)
ブライダル総研作成婚姻組数予測(2015年9月更新)

結婚と結婚生活について

夫婦の家庭での役割・
生活意識の変化を知りたい
家庭動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)
家庭の出産、子育ての現状、家族関係の実態資料
結婚・出産・就業への動きを
属性別に知りたい
21世紀成年者縦断調査(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚、出産、就業等の実態及び意識のトラッキング調査
男女の出会い~結婚~
出産の変遷を知りたい
出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚と夫婦出生力の実状・背景の調査資料

消費動向について

時事の社会的テーマから
消費を読み解きたい
国民生活白書(内閣府)
内閣府が毎年1回まとめて発表する、国民生活全般についての動きや変化を分析した年次報告書

結婚式場運営について

個人サービス産業の
動向が知りたい
特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)
結婚式場業の最新の売上高・取扱件数・従業員数等の調査結果
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結婚式場業の事業所数、就業者数、年間売上高等の調査結果
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