「価値観が一致しているパートナーはよい」と聞くことがあります。はたして「価値観」とは何でしょうか?本調査では、夫婦間で「ある価値観」が一致していると、結婚幸福度が高くなる傾向があることがわかりました。
① 結婚相手を選ぶ際、9割以上が「価値観が似ていることが重要」と回答
2005年から2010年に結婚をした夫婦に「結婚相手を選ぶ際に重要だと思うこと」を聞いたところ、95.8%の男女が「価値観が近い人と結婚をすること」が「とても重要」「重要」「やや重要」と回答しています。この結果に、男女差は大きくみられず、男性92.7%・女性97.1%が「とても重要」「重要」「やや重要」と答えています。
一方、「性格が似ている人と結婚すること」については、52.7%が「とても重要」「重要」「やや重要」と回答しており、「価値観が近い人」と比較するとやや低い傾向がみられます。そのうち、「性格が似ている人と結婚することはとても重要」と考える人の割合(男性9.7%・女性5.7%)も、「価値観が近い人と結婚することはとても重要」と考える人の割合(男性35.9%・女性47.5%)よりも低い傾向が見られます。
男女共に、結婚相手とは、性格よりも価値観が似ていることは重要と考える傾向があるようです。結婚相手を探す際に、価値観が似ている相手という観点で考えてみる方法もありかもしれません。
② 一致すると幸福度が高くなる価値観は、楽観性、慎重性、自立性、感情性、論理性、メリハリ性など
では、様々な価値観のうち、どの要素が似ていることが「パートナー」には重要なのでしょうか?
本調査では、「結婚幸福度指標」を算出し、その指標と相関性が高い項目群を検出する方法を採用しました。
まず、「結婚相手に全体として満足している」「もし他の人と結婚していたら、もっと幸せだったかもしれないと思うことがある(反転)」などの複数項目から「結婚幸福度指標」を算出しました。
また、「結婚幸福度指標」は、「入籍後の年数」、「世帯年収」、「子供の人数」などの変数の影響を受けていたため、統計的処理を行い、調整後の「結婚幸福度指標」の値を利用することとしました。
その結果、夫婦間において、「楽観性」「慎重性」「自立性」「感情性」「論理性」「メリハリ性」などの因子群(以下、『パートナー価値観』)の一致度と、「結婚幸福度指標」に高い正の相関性が見られることがわかりました。
例えば、「論理性」とは、「論理的に物事を考えるタイプか、感覚的に物事を捉えるタイプか」を判断する因子で、「論理性」が高くなると、「話は論理的であるべきだ」や「理屈が通らないのはよくない」と考える傾向があります。
また、「メリハリ性」とは、「金銭面で思い切ってお金を使っていくタイプか、倹約タイプか」を判断する因子で、「メリハリ性」が高い人は「多少高くても質を重視すべきだ」と考える特徴が、低い人は「将来のために貯金すべきだ」と考える特徴があらわれやすいと言えます。
このように、『パートナー価値観』の一致度が高いと、「結婚幸福度指標」が高くなるという結果が明らかになりました。
『パートナー価値観』が似ている夫婦ほど結婚後の幸福度が高く、似ていない夫婦ほど幸福度が低くなる傾向がみられた今回の調査結果。心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
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