リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

「Good Wedding Award 2011」 審査会で見えてきたイマドキの結婚式とプランナーの役割とは

■株式会社リクルート ブライダル総研では、「心に残る結婚式」のプランニングコンテストを8月1日(月)に開催し、グランプリその他各賞を決定いたしました。全国から集まったウエディングプランナーのプレゼンテーションから見えてきた今どきの結婚式、そしてプランナーの姿をご紹介します。

【1】ブライダルマーケットの現状

■婚姻組数は徐々に減少

 厚生労働省の「人口動態統計(確定数)」によると、2009年の婚姻届出組数は70万7734組で、前年より2.5%減少しました。近年最も婚姻組数が多かった2001年の『ミレニアム婚』以降、増減を繰り返しつつも徐々に右肩下がりとなっています。

■結婚式の意味が変化、おもてなしの場に

 一方で「結婚式」の意味も、「お披露目」の場だった結婚式から、お世話になった人に「感謝」を伝え「おもてなし」をする場に変化しました。その結果、感謝を伝える演出や料理にこだわる新郎新婦が増え、この不況下にあっても結婚式消費は高い水準を保っています。全国における結婚式の費用総額は平均325.7万円で、5年前の調査から32.9万円増加しました。

■プランナーの提案力が重要に

 結婚式の変化に伴い、ウエディングプランナーの重要性も高まってきました。ウエディングプランナーとは、1組のカップルが挙式・披露宴の当日を迎えるまでのお手伝いをする役割で、多くは会場に所属し、会場の説明から衣裳、装花、料理、演出など、結婚式全体のコーディネイターでもあります。
 プランナーは結婚式を無事とり行うために不可欠な存在ですが、結婚式へのこだわりが強まるにつれて、さらに自分たちの要望にあった提案を求め、結婚式をより意味あるものにしたいと考えるカップルが増えてきています。

 
■結婚式の質の向上が求められている

 マーケット環境として楽観できない状況だからこそ、ブライダル業界では結婚式の質を向上させ、「結婚式をする意味」を強めていく試みが各所で行われています。
この「Good Wedding Award」も、全国で行われている「いい結婚式」を発表しあい、結婚式の内容とそれを創り上げるウエディングプランナーのスキルアップを目的として開催されました。最終審査会当日は全国から寄せられた239件のエントリーの中から選ばれた8名のファイナリストが、それぞれがプランニングした結婚式についてプレゼンテーションをおこないました。


【2】イマドキの結婚式と、プランナーの役割

■進化するテーマウエディング

 今回、全国から集められたエントリーの中でも印象的だったのは、「テーマウエディング」の盛り上がりでした。「テーマウエディング」とは、結婚式全体を通じて一つの「テーマ」や「コンセプト」を決め、それに基づいて全体が構成された結婚式のこと。明確なテーマがあることで、その場に集った全ての人が新郎新婦の趣味や嗜好、結婚式に込めた意味を感じ、一体感や参加感を得ることができるのです。
例えば、今回のファイナリストが発表した結婚式のテーマでは「絆」「 Promise & Baton Touch~誓いと継承~」「ケニアウエディング」「楽宴(らくえん)」など、様々に個性的なテーマやコンセプトが設けられ、挙式・披露宴を通じた全体で表現されていました。

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▲宮崎から担当プランナーの応援に駆けつけたご夫婦。
最初結婚式に後ろ向きだった新郎も、テーマの提案により結婚式の意味に気づき、一転前向きに。


■高まるウエディングプランナーの重要性。「打合せ」は「カウンセリング」の場に

 その「テーマウェディング」に欠かせないのが、プランナーの存在。今回のファイナリストの発表で頻発した言葉は「とにかく聴く」「カウンセリング」という言葉でした。新郎新婦の趣味や季節など、表面的なテーマではなく、とにかく新郎新婦について多く深く聴くことで、彼らが本当に伝えたい想い、結びたい絆、修復したい関係性などを浮き彫りにし、それに応じた結婚式のテーマを提案していました。

 新郎新婦の要望をただ実現するだけでなく、本人たちもまだ気付いていない深い想いを引き出し理解するその姿は、まさに「カウンセリング」。「聴く力」「理解する力」それを結婚式で「形にする力」。その3つの力をプランナーが持つことで、新郎新婦が本当にしたい、より意味のある結婚式を実現できる、ということが浮き彫りになりました。

■結婚式は、「絆」を確認し結び直す機会に

 最終審査会で発表された全ての結婚式の場で起こっていたのは、新郎新婦と周囲の人々との「絆や関係性の変化」でした。
 今回グランプリを受賞した結婚式では、父の死という記憶を抱えて結婚式にのぞむ花嫁に、プランナーはあえて「父への手紙ではなく、今を生きる人へのメッセージを」と提案。その結果、新婦は父への想いを捉え直し、今周りにいる人達と前を向いて生きる決意を固めることになりました。その他にも、「婿入り」する新郎と家族との絆の再確認、新たなる兄妹の絆の誕生など、決して派手ではないが、ひとつひとつ丁寧に「絆の結びなおし」を行うことで、他にない感動的な結婚式となっていました。

 プランナーによる丁寧なカウンセリングとその結果としての結婚式が、新郎新婦にとって今までの人生とこれからの人生を、誰と生きどう関わっていきたいのかを深く考える良い機会となっています。今後は結婚式のその側面が、より意味を強めていくのではないか、と考えさせられる最終審査会でした。

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▲「ふたりのこれからの人生を一緒に考えるのがプランナーの仕事」という内容が、
ファイナリスト達により様々な言葉でメッセージされました


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▲自らがプランニングした結婚式について、強い想いを込めて、プレゼンテーションが行われました


<「Good Wedding Award」の開催概要、最終審査結果> 
 ■Good Wedding Award最終審査発表ページをご覧ください

 ◆詳しくはこちら→ 20110824_GWA_report.pdfをダウンロード
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