プランナー自身の経験が、カップルを支える力になる。
未来の二人を強くする、結婚式を考える
2002年入社。シャロンゴスペルチャーチ前橋支配人兼ウエディングプランナー。2014年夏よりザ・ジョージアンハウス1997のマネージャーも兼任、結婚5年、3歳と1歳の二児の母でもある。
「呼べるものなら、友達を呼びたい!」21歳の女の子の本当の願い
新郎26歳、新婦21歳、マタニティウエディングの二人でした。初めての来館は新婦とお母様、マタニティということで何を聞いても「家族だけでシンプルに」の一点張り。でも、お話しながら何かが私の心に引っかかりました。新婦はとても明るく、笑顔のかわいらしい女性で「友達もたくさんいるに違いない。本当に家族だけのウエディングでいいの?」という疑問が湧いてきたのです。そこで少し探りを入れるような問いかけをすると、新婦の本音が出てきたのです。「私だって、できることならそうしたい。呼べるものなら呼びたい!」。それは 21歳の女の子の本当の声でした。私が彼女の夢を叶えよう、そう決心した瞬間でした。
- 披露宴は施設をフル活用し、シーンに合わせゲストに移動していただく形に。食事は年配ゲストを考慮し着席形式。ガーデンでは素敵なDJ演奏の中、ウエディングカップケーキのブッフェ、同級生のダンスのサプライズ。ラストの友人たちによるハンドベルとピアノの生演奏は、礼拝堂を感動の涙で包み込みました。
実体験に基づくリアルなサポートで、二人の不安を解消
普通、初めてのご案内時に、最初からお金の話をすることはまずありませんが、出産費用を考え、とにかくシンプルにと考えていた二人。今回はすぐにお金の話をしました。まずは自分の出産経験から作ったお得なマタニティプランを案内。そしてご 祝儀の計算なども含めたリアルな予算組み、実際に出産関連でかかる費用、社会保険でもらえる金額や時期、産休育休のしくみまで、二人が安心し結婚式から出産までの予算をイメージできるように説明しました。
次に日々変化する妊婦の体調、ボディライン、準備スケジュールを含めた挙式の最適なタイミングです。実は自分が妊娠中、体とメンタル面の変化を書き留めておき、後々参考にできる資料を作成していたので、それを見ながら無理なく当日を迎えられる日程を一緒に考えました。こうして不安が解消され、二人は友人をたくさん招待することを決断。その時のホッとしたうれしそうな笑顔は、今でもはっきりと目に焼き付いています。この妊娠時の体調とメンタルの資料は、社内の他のプランナーとも共有し活用しています。カップルにとっては、会場だけではなく、プランナーも商品の一部なのです。二人の状況に合わせて、寄り添え、適切な提案のできるプランナーがどれだけいるかも、とても大切なことだと思います。
- 私が妊娠中に感じた体の変化やメンタル面の変化を書きとめておき、マタニティウエディングの花嫁さんの参考になる資料を作っています。
結婚式は二人の未来のために。これから挙式するゲストのために
定員一杯のゲスト、スピーチ、親族へのおもてなし、同級生のダンス。急に溢れ出した新婦の山のような希望を私は一つずつ叶え、新婦の夢だった結婚式は実現しました。21歳の新婦にとって突然の結婚と妊娠は、嬉しい反面、不透明で先の見えない未来だったようです。そこに光を当て二人を導くことができたのは、私達の間に「妊娠」という共通の経験があったから。お陰で年の差を感じ合うことなく、かつてないほど二人に寄り添いお手伝いができたと思います。
結婚式は未来のためにあります。これから二人で歩む人生の心の支えになるもの、夫婦の絆を強めてくれるもの、それが本当にいい結婚式だと思います。二人は結婚と妊娠を大勢のゲストの前でお披露目でき、晴れ晴れとした気持ちで新生活をスタートされたと感じました。家族だけの挙式も温かなものになっていたと思いますが、新婦は一生、叶えられなかった夢を抱えたままだったでしょう。仲良しグループメンバー初の結婚を、溢れる涙をこらえながら祝福した新婦の友人たち。今回のように 若いカップルであれば、ゲストの中にはこれから結婚式を迎える人も多くいます。ここでよい体験をさせてあげられるかが、未来のカップルの結婚式に対する価値観を左右すると思います。
カップルとゲストと私たちの全ての未来のために、本当に意味のある結婚式を創ることを使命とし、これからもこの人生の素晴らしい出来事に向き合っていきたいと思います。
プランナーの人生経験は、二人の気持ちに応え、不透明な未来を照らす
これまで結婚や出産を機に退職、部署異動するプランナーが大勢いました。しかしプランナーにとって結婚や出産という経験は必ず生かせると、実体験から強く感じています。出産だけでなく女性の人生に起こる様々なことを乗り越え、その経験を糧にお 客様に深く寄り添い、きめ細やかなプランニングをする。それが最終的に二人のためになり、ナシ婚対策になると信じています。
審査員の目
プランナー自身の経験に、無駄なものはひとつもありません。カップルに悔いのない結婚式を挙げてもらうために、自らもカスタマに提供する価値の一部と考え、出産や育児といった様々な体験を糧に成長し続けていく。そんな佐伯さんの決意と覚悟は、これからも働き続けたいと考える女性プランナーに大きな勇気を与えてくれました。それが当たり前になる世界に、本当の幸せな未来があるのだと思います。(2014年9月30日更新)