リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

宝石箱から生まれた時間 story of our life

「いい結婚式を創りたい」プランナーの想いが垣根を超え、
限界を超えた日

篠田 知里(しのだ ちさと)さん
エルダンジュナゴヤ(愛知県)

プランナー歴5年。趣味は映画鑑賞、読書。長期休暇は海外旅行に出かけ、新たな発見や出会いにワクワクしながら過ごすことが好き。同業他社のプランナーとアイデアを共有する「交流会」で「新しいプランニングのカタチ」を模索中。

ヒヤリングから探し出した「二人らしさ」をカタチにする

 「開放感があって、自分達らしい式にしたい」という希望を持ちつつも、「自分達らしさってよく分からない」という二人。60〜70年代の音楽が大好きで、その曲ができるまでの過程に魅力を感じる新郎。カメラマンをされていて、シャッターを押されるまでの様々な背景が、1枚の写真に残ることに魅力を感じる新婦。深いヒヤリングを重ねるうち、過程や背景といった「story」を大切にするという、素敵な二人らしさに気がつきました。

 そんな二人だからこそ、二人の過去、今、そして未来という、人生のstoryを大切にしたテーマを提案。挙式は開放感のあるテラスで行い、バージンロードには未来につながるメッセージとして、二人の大好きな「stand by me(私のそばにいて)」の歌詞を、天井からは二人の生い立ちをふり返る写真を装飾しました。お互いやゲストに対して、「今までそばにいてくれて」「今日もそばにいてくれて」ありがとう。「これからもそばにいてね」という、過去、今、未来への想いを込めて、準備がスタートしました。

笑顔で談笑する新郎新婦。結婚式後「本当にできるのかな?と思ったこともあったけど、全て叶えられて本当に嬉しかった」というお言葉も頂きました。二人の言葉はサポートしていただいた方々の想いが生んだ宝物です。

垣根を超え協力することで想像を超えるプランニングに

 ところがテラスでの挙式は前例が少なく、肝心な装飾の制作方法が分からない…。社内で相談するも理想のイメージには届かず…。頭に浮かんだのは素敵なバージンロードを制作していると噂のライバル会社です。他社に相談なんて有り得ないことですが、勇気を出して相談したところ、快く制作方法を教えてくれたのです。当日は、完成したバージンロードの上で、二人は天井の写真を見返しながらお互いへ、列席したゲストへ「これからもそばにいるね」と誓いをたてました。人前式での承認はゲスト全員によるカメラのワンショット。この瞬間を未来に残していきました。

 「いつか子供が生まれ、その子が大人になっても結婚式のこと話し続けますね」結婚式後お二人が私に下さった言葉です。今回感じたのは、結婚式には限界がないということ。一人でできなければ、視野を広げ周りを巻き込むことで、自分の限界を超えたプランニングができる。それは二人やお子様の未来も幸せにするのです。私はそんな結婚式を、これからも創り続けます。

Stand by meの歌詞を書いた手作りのバージンロード。他の会社の協力を仰ぎ、素敵なものが出来上がりました。
集合写真ではゲスト全員に席札として配布した、お二人愛用の黒縁メガネをかけて撮影。二人らしい大切な1枚を未来へ残せました。

結婚式からその先の未来へ、幸せを繋ぐお手伝いをしています

 人生にはひと言では言い表せないドラマが必ずあります。新郎新婦のお話をじっくりとお聞きしながら、二人のドラマに寄り添い、結婚式に対する想いをカタチとして表現することを心がけています。結婚式はお二人の夫婦生活のスタート地点。その後の未来に向けて繋がり循環していく、幸せな結婚式を創ることが私のミッションだと感じています。

審査員の目

 他人が持っている知見や事例や手法を活用することは効果的ですが、他人に尋ねることは難しく勇気が要ります。自社内でもできない場合もあれば、ライバル式場ならなおさらです。しかし篠田さんはそれをやってしまう。自分のプライドや既存のルールだけにとらわれず、真のカップル視点に立った結果の行動です。そのスタンスと行動力に勇気をもらえます。