リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

未来へ 2022

10年のGWAとの歩みで学んだのは
「良い結婚式の答えは結婚式の数だけある」。
私はこれからも成長し、「良い結婚式を作れたのか?」と自分に問い続ける。

佐伯 エリ(さえき えり)さん
ERISAEKIWedding/B buddy consulting(群馬県)

プランナーになり今年で20年の節目を迎えることができました。結婚式では、人々の想いや愛を交差させることでこの日を深く胸に染め重ね、そこに居合わせた全ての人々の未来にまで届くことを願って創っています。

一流プランナーとは?
答えを探しながら挑み続けたGWAで見つけた、数々の学びと気づき

GWAへの想いと、一緒に走ってきた10年についてお話しします。私に「一流プランナーとは」を初めて意識させてくれたのは、ライバル企業のトッププランナー・鈴木さんの記事でした。一流プランナーとは、最高品質の結婚式を作る力を備えている人のこと。そのために、私は果たして自分を本気で磨き続けてきただろうか? お会いできた鈴木さんは、「絶対チャレンジしたほうがいい! 人生変わるから!」と笑顔で言ってくれました。

2014年、GWAに初のエントリー。自身の妊娠出産経験を活かし、閉ざされた新婦の真の希望を聞き出した結婚式の発表で、ソウル賞を受賞。「出産経験のおかげで作れた、という発表にはしたくない」とゴネる私にブライダル総研の金井さんは、こう諭してくれました。「プランナーが長くこの仕事に従事し、結婚出産も含めた全ての人生経験を活かしてお客様に寄り添うことは、良い結婚式につながるのではないでしょうか」。結婚しても続けるプランナーが多くない時代。GWAが私の生き方そのものを励ましてくれた気持ちになりました。

2016年のクリエイティブ賞受賞では、結婚式に価値を見出せない2人の結婚式を発表。新婦の仕事を活かすことで結婚式を自分事としてとらえてもらえた、「プロセスの場づくり」を評価していただきました。私たちの仕事はお客様の人生に作用し、その未来を深めることができると気づかされた結婚式でした。

2019年には、2人の真の美しさを未来へ残すために、多くのプロの力を借りて作ったフォトウエディングの話を披露。準グランプリを受賞しました。「それぞれの力を信じて、みんなが動きやすいようそっと支え、背中を押すことが私というプランナーの介在価値なのではないか」と、私の中でプランナーの概念が確立された結婚式でした。

孫に結婚式をプレゼントしたい祖母。
その愛情と若い2人の感謝の想いが交錯し、永遠に結び付き合う一日に

今年エントリーしたのは、「結婚式をしないと言っている孫に、式をプレゼントしたい」という80代のおばあ様からの依頼の話です。実は10年以上前、私は同様に資産家のおばあ様の依頼で結婚式を作りました。独断で衣装や料理を決めるおばあ様。新郎新婦からは、次第に笑顔が消えていきました。後に「孫が一度も遊びに来ない」と言われていると人づてに聞き、お客様の人生と大金をかけて、私は一体何を作ったのだろうと自問し続けていました。

だから今回は、「居合わせた人々全員の結婚式にする」とゴールを設定。おばあ様のお仕着せにならないよう、また2人にはおばあ様の真意に目を向けてもらえるよう、繊細に対応しました。互いの気持ちが響き合ったのか、おばあ様への感謝を胸に新婦が作った、ゲストとの写真を使ったサプライズムービーと、おばあ様からの孫への手紙と写真が、それぞれ前日に届きました。メディアは違えど、同じ手段で想いを伝え合おうとした2人の女性。ムービーの上映後、立派に感謝を述べる新婦。またおばあ様の写真の中には「この日からわが家の歴史が始まりました」とメモ書きされたセピア色の1枚が。おばあ様の結婚式の写真です。彼女の80年の人生で最も大切なものを託されたと感じ、それらを人前結婚式のラストに取り入れました。退場前、手をつないでバージンロードに佇むおばあ様と2人。過去から未来へと、家族がつながれた一日になりました。

「結婚式をしないと言っている孫に、式をプレゼントしたい」というおばあ様。今までの経験を踏まえて「居合わせた人々全員の結婚式にする」とゴールを設定。

挑み続けるプランナー人生でいつも背中を押し続けてくれたGWA。
結婚式は私達とお客様のセッション

この仕事を続けて20年。私は今も、自分に問い続けています。「2人、家族、ゲストにとって良い結婚式を作れたのか」。お客様と作り手の狭間にいるプランナーは、孤独。常に自分との闘いです。それでも、誰かの人生に関わる尊い結婚式に触れる仕事だからこそ、私たちは挑み続けなければなりません。GWAの存在は、いつも私にそっと伴走し、問いかけ、挑み続ける大切さを教えてくれました。結婚式は、私たちプロフェッショナルの感性とお客様の想いを魂のレベルで共鳴させ、爆発させる、壮大な人生のセッションです。それは人間に、生きる強さを与えてくれるもの。これからも一緒に向き合っていきましょう。GWAが美しい結婚式でにぎわい続ける未来を、楽しみにしています。

“「殿堂入り」新ルール”

各回グランプリ受賞者または準グランプリ、特別賞を3回受賞された方が殿堂入りとなります。