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第12弾 藤井 菜実さん

8度目のエントリーでグランプリを受賞!様々な価値観を“知ろうとする“ことの大切さ「寄り添う」だけでなく「より良い方向に導く」プランナーに

  • 第11回のGOOD WEDDING AWARDでグランプリ賞を授賞

大学卒業後、2008年に株式会社ブラスへ新卒として入社。
ブラン:ベージュのウエディングプランナーに配属される。その後、チーフプランナーを経て、浜松や名古屋の店舗で副支配人として店舗運営にも携わる。2015年には副支配人を兼務した形で、ブラス初の「エグゼクティブプランナー」に昇格。2017年には全社の「社員教育担当メンバー」にも抜擢。2021年7月に「GOOD WEDDING AWARD 2021」でグランプリを受賞。現在も一貫制のウエディングプランナーとして結婚式を担当しながら、店舗運営や社内研修の企画運営・講師を務めている。

プランナーの仕事を目指したきっかけ

中学生の頃から教員を目指し、大学に進学した私。就職活動の時期になった頃、社会勉強にもなるだろうと、複数の会社説明会へ参加していました。そんな時に出会ったのが、ブラス。当時、教師以外の仕事への知識がほぼ0だった私にとって、ブラスとの出逢いは衝撃的でした。学生時代には、ブラスバンドに所属していたこともあり、「自分の手で、ゼロからモノを創り上げる」「チームで最高の結婚式を創る」という、プランナーの仕事の素晴らしさに、とても共感したことを覚えています。そして、プランナーの仕事を、本当に楽しそうに話すスタッフの姿を見て、「私もこの一員になりたい」「どうせ働くなら、楽しみながらやりがいを持って働きたい」と思い、入社を決意しました。

ブラスのウエディングプランナーは一貫制。新郎新婦と出逢い、打ち合わせを重ねて、チームで結婚式を創りあげていく。未知の仕事ではありましたが、入社当時から手応えとやりがいを感じていました。また、ブラスには一つとして同じ結婚式はないため、毎回新鮮な気持ちで新郎新婦と向き合うことができます。そして、自分自身が年齢や経験を重ね、新しい価値観を知るたびに、どんどん提案の幅が広がっていくのもこの仕事の魅力。現在に至るまで、長くプランナーを続けられている理由だと感じています。

印象に残った過去の企画(苦労した経験など)

私が20代の頃の話です。ウエディングプランナーとしての経験をある程度重ね、自分なりの打ち合わせのやり方も定まり、プランニングにも自信を持ち始めた時期。そんな中で出会った一組の新郎新婦。関係性も良好、打ち合わせは順調に進んでいる、と思い込んでいた私に、新婦から突然連絡がありました。「エステっていつから行けばいいの?」「藤井さん、美容に関して何も案内してくれないよね。30代の私が、人前でドレスを着ることがどういうことなのか、20代の藤井さんにはわからないでしょ。」「私がイメージする結婚式、本当にわかってくれている?」

打ち合わせが始まった当初から新婦から聞いていた希望は【上質で洗練された空間の中でゲストに感謝が伝わるような一日】にしたいということ。その言葉の意味を、私は十分に理解しているようで、理解できていなかったことに気づきました。
そこで、新郎新婦にご相談し、もう一度ヒアリングする機会をいただきました。結婚式のイメージや具体的な希望、というよりかは、普段どんなところに出かけているのか、ブランドの好み、愛用しているコスメ、素敵だと思うショップなど。おふたりのことを、今まで以上に細かく伺いました。そして、実際におふたりが好きだという、その場所やショップすべてに足を運んでみることにしました。見た目やビジュアルはもちろん、流れているBGMや、スタッフの接客スタイルなど。私が今まで生きてきた中で、触れることのなかった世界観や価値観がそこにはありました。そうするうちに、新婦が言う「上質で洗練された空間」、が少しずつ理解できるようになっていきました。

そこからの打ち合わせでは、新郎新婦にあわせた様々な提案を積極的に行っていきました。「こんな花の雰囲気はいかがですか?」「こんなBGMをかけてみてはどうですか?」と提案すると、だんだん「そうそう、こういう雰囲気が好きです」と言ってくださるようになっていったのです。完成した結婚式は【花やBGMにこだわった「空間」を楽しんでいただきながら、料理でおもてなしをする一日】でした。派手な演出はなく、ケーキカットのイベントもなし。とはいえ歓談ばかりだと、一日の中にメリハリもなくなってしまうため、お色直し入場時には、「感謝」や「永遠の幸福」を意味するクラスペディアの花を、ゲスト一人一人に新郎新婦が渡していく時間を提案しました。結婚式後には「私たちのためにたくさん勉強してくれてありがとう。素敵な一日になりました。」と声をかけてくれた新婦。未熟だった自分に、たくさんの事を教えてくれたおふたりには感謝しかありません。

この新郎新婦との出会いを経て、自分が、自分自身の価値観の中だけでしか、結婚式を提案できていなかったことに気づかされました。あの頃の私は、おふたりの価値観が「わからない」どころか、「わかろうともしていなかった」とも思います。もちろん、これは年齢的な話だけではありません。新郎新婦が育ってきた環境、触れてきたもの、出逢ってきた人たち。おふたりのことを「すべて理解する」ことは難しいとしても、様々な価値観を「知ろうとする」のは大事なこと。その上で、結婚式という一大イベントをどうカタチにしていくか。ウエディングプランナーとしての基本であり、とても大切なことを、改めて感じさせてくれた経験でした。

この経験談は、後輩の若手のプランナーにも、よく話すようにしています。「こういう視点も大事。だから、知ろうとすることは大事」なのだと。そして、自分自身の経験や価値観を伝えるだけではなく、逆に「後輩プランナーたちの価値観」を教えてもらう姿勢も、常に大事にしています。

ご自身の仕事にかける流儀・思い

プランニングをする時には、「一日を通してストーリーのある結婚式」を創ることを心掛けています。結婚式当日には、様々なシーンや感情が生まれます。「喜び」「嬉しさ」「楽しさ」「驚き」「感動」。その一つひとつのシーンを、創りこむことも大事ですが、もっと大事なのは、そのシーンを一日のどのタイミングで、どの順序で表現していくか、だと思っています。例えば、涙するシーンがずっと続いてしまうと感動は薄れ、楽しさばかりが続いても疲れてしまいます。映画やドラマなど、物語のあるものには必ず起承転結があり、その中で様々な感情がバランスよく生まれるからこそ、「いい物語だった」と思えるもの。結婚式という一日も同じです。たくさんの感情が生まれる中で、より新郎新婦に感じていただけるように、ゲストにも丁寧に伝わるように。感情の抑揚を大事にしながら、結婚式を創っています。

また、ウエディングプランナーはお客様に「寄り添う」ことが大事だと言いますが、もっと大事なことは「より良い方向に導く」ことだと思っています。ほとんどのお客様が、新郎新婦として「主役」になるのは初めての経験。漠然とした希望があったとしても、結婚式としてどう表現することがベストなのか。その答えを知っているのはウエディングプランナーしかいません。結婚式のプロである私たちが、より良い方向におふたりを導きながら、希望や想いをベストな形に表現していく。
そして、この想いは、コロナ禍を経てさらに強くなりました。様々な困難に、戸惑い、悩み、苦しむ新郎新婦を前に、その気持ちを一緒に理解しながらも、あくまで冷静に「その新郎新婦にとって最優先事項は何か」「解消するべき問題は何か」「どんな結婚式がベストなのか」を見極めていく。そして、新郎新婦をぐっと引っ張り、提案していくことを大事にしています。ウエディングプランナーは新郎新婦の人生に触れてしまう仕事。だからこそ、結婚式を通して「おふたりをどう幸せにできるか」を常に考えるようにしています。

GWA受賞後の変化(ご自身・周囲)

2013年にGWAの存在を知り、世の中にはこんなにも素敵な考えをもって結婚式を創るプランナーがいるのか、と感銘を受けたことを覚えています。そして、いつかは自分もあの舞台で、自分の想いを伝えてみたいと憧れ続け、エントリーし続けること8年。今年、初めてファイナリストに選ばれグランプリを受賞することができました。「今年こそ絶対にファイナリストになる!」と決意表明をしていたからこそ、ファイナリストになった時も、受賞した時にもチームのメンバーが一緒に喜んで泣いてくれたあの景色は宝物になりました。
それに加え、エントリーシートを作成し、プレゼンの準備期間から感じていたこと。それは、パートナーを含むチームの存在のありがたさです。今まで当たり前のように、チームで創っていた結婚式。第三者にプレゼンするために言語化していく中で、この結婚式はチームの力なくしてはできなかった、と思うことがたくさんありました。それは、「あの時の一言がなかったら」「あのサポートがなかったら」細かく挙げたらキリがないほどです。チームへの感謝の気持ちがより一層強くなったように思います。
また、登壇後には、「プレゼンを聞いて前向きな気持ちになった」「まだまだやれることがあると感じた」という声も、周りからたくさんもらいました。GWAは、自分自身の「発信力」や「伝える力」を磨くためにも挑戦していたという部分もあったので、自信を持つことができました。そして、自分の創った結婚式や想いが、少しでも誰かに影響を与えることができたなら、幸せなことだと感じています。

現在は、自店舗だけではなく、ブラスグループの他店にも足を運び、会社全体のプランニングスキルや結婚式の質を高めるため、社員教育や新入社員研修にも携わっています。また、グランプリを受賞したことで、社外へ発信する機会もいただけるようになりました。
とはいえ、まだまだ自身もプレイヤーでいたい気持ちは変わりません。この恵まれた環境に感謝しつつ、ウエディングプランナーというプレイヤーとして、これからもいい結婚式を追求していきたいですし、一人でも多くの魅力的なプランナーを育てていきたいと思っています。そして、想いを社外へ発信していくことで、何らかの形で少しでもウエデイング業界に役に立てる存在になれればと考えています。

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