リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

第18弾 松浦 玲奈さん(オワゾブルー山形)

「結婚式から未来を変える」私の信じ続ける「結婚式の持つ力」 「結婚式から未来を変える」
私の信じ続ける「結婚式の持つ力」

  • 第13回目のGOOD WEDDING AWARDで準グランプリを受賞

現在のお仕事内容:2010年新卒で株式会社ジョイン パレスグランデールへ入社。2017年オープンのオワゾブルー山形のオープニングスタッフとして異動し、現在もオワゾブルー山形をメインに結婚式のお手伝いをさせていただいています。山形市の中心部にある街なかから幸せを発信しています。

プランナーの仕事を目指したきっかけ

ウエディングプランナーを目指したきっかけは、中学校3年生の頃に親戚の結婚式に参列したことです。
当時、今後の進路や将来を考える為に授業の一環で色々な職業の方の話を聞いたり、職場体験に行ったりする時間がありました。当時色々なことに興味があって、なりたい職業がたくさんあり定まりませんでした。そんなとき親戚の結婚式があり、参列しました。
その頃は、ウエディングプランナーという仕事があることは知らず、ただ漠然と『結婚式の仕事って素敵かもしれない』と思ったことがきっかけで、その後は結婚式の仕事をひたすら目指し専門学校へ進学。東京観光専門学校で学び、結婚式の仕事に絞って就職活動を行い、ウエディングプランナーとなりました。

印象に残った過去の企画(苦労した経験など)

プランナー6年目の頃に担当させていただいた『結婚式が家族や親族の未来を変えた』結婚式が印象に残っています。

ある日、新郎お母様から代表電話へご親族様のみの会食会のお問い合わせをいただき、会場のパンフレットを持ってご自宅へ伺いました。後日いただいたご契約もその後の打ち合わせも全てお母様とお話を進めていきました。言葉が強く笑顔もあまり見せないお母様との打ち合わせは毎回とても緊張し、何度もご自宅に車を停めてから気を引き締めて向かっていたことを今でも覚えています。

お母様と打ち合わせを進めていた理由は、当初は新郎新婦様が遠方である為とお聞きしていました。しかし、打ち合わせを重ねてわかったことは新郎新婦様は結婚式に前向きではないこと、そしてこの結婚式はお母様のけじめの為にするお式であるということでした。お母様のご都合で急に呼び出されてはご自宅に伺う日々が続いていました。
何度かご自宅に通ううちに新郎様とご親族様との関係、新婦様と新郎妹様の関係等それぞれの関係がこじれてしまっていること、お母様自身の親御様の介護への不安などをお話しいただけるようになっていました。

ご会食と伺い作っていた進行はお母様と話せば話す程このままではダメだと思い、もう一度進行の提案をさせていただけないかとご自宅へ伺い進行を大きく変える提案をしました。その中の1つに『ご親族様からメッセージをいただくこと』を提案したのですが「メッセージすら言わないかもよ?」と仰り、縁遠くなっているご親族様とのサプライズ入場は「ちょっと無理があるんじゃない?」と仰いました。でも今これをしなければ今回の披露宴は本当にただの会食会になってしまい、関係修復のチャンスはもう無いかもしれないことを伝えました。それでもすぐに受け入れてはいただけませんでした。私自身も自分の想いと提案を伝えつつ正直不安でいっぱいでした。更に関係が悪くなってしまったら元には戻せません。また、結婚式直前には新郎お父様にもお会いしたのですが、笑顔を見せないお父様から「たった一度で良くなるわけがないのだから、余計なことをする必要はない」と言われご親族様との入場は無くなってしまいました。

しかし修復の可能性はゼロで無いことは確信していました。なぜなら結婚式の力を信じていたからです。関係性が悪い現在のことだけでなく、関係性が良かった頃のこともお聞きしていた為きっとその頃に戻ることが出来る、戻ってほしいと強く願っていました。

こうして迎えた当日、予定していた進行が予定通り進められるかは司会をしながら判断をすることにしました。会場の様子、新郎新婦様、ご親族様方の会話や表情、温度感を意識しながら提案した進行で進められるかをタイミングも踏まえ最終的に見極め進めていきました。一度なくなったご親族様との入場もこの雰囲気ならきっとできる!と確信し急遽進行を変更。まさかの腕を組んでのご入場に親御様も大変驚かれ慌てて携帯電話を手に取り必死にその光景を写真に収められていました。

こうして全てが上手くいき結んだ結婚式。お母様からは「握手でもしとく?」そう言われ、ぶっきらぼうでしたがいつの間にか私もお母様のことが大好きになっていました。結婚式に前向きでなかった新郎新婦様からも心のこもった感謝の言葉をいただき当初はやりたくない、そう強い口調で話していたのが嘘のように明るくすがすがしい表情で「結婚式をして良かった、楽しかった」とお話しくださいました。

苦労したことも多かった分、学びもとても多く自分自身大きく成長をさせていただけたこの結婚式が私のプランナー人生のターニングポイントになっていると数年経った今でも強く感じています。

ご自身の仕事にかける流儀・思い

おふたりのその先の人生がもっと幸せになるように、結婚式から未来を変える、そんな結婚式を創りたいと日々思っています。そう思ったきっかけが印象に残った過去の企画で記載した内容なのですが、この結婚式を担当させていただいて『人の人生を変えてしまう結婚式ってすごい!』と心から思いました。あの日から『未来まで変わる、そんな結婚式を創っていきたい』と思いお手伝いをさせて頂いています。劇的に人生が変わるというのは稀かもしれませんがその先の未来が幸せになるにはどんな時間を提案したら良いのか、どんな風に導くべきなのか、そんなことを考えています。
そして今回のGWA内でもお話させていただきました(GWA2023 松浦さんプレゼン動画)が一歩踏み込み導くことだけが正解ではなく、おふたりに一番合った方法でその未来に繋いでいきたい、そうする為には今聞くべきなのか、なんと聞くべきなのか、言葉や表情に意識をおいて打ち合わせを進めています。
こうして当日を迎えたおふたりの結婚式から繋がったご縁も未来に繋ぎ続けていきたい、そう思っています。

未来にご縁を繋ぎ続けていくことの大切さを教えてくれた先輩方、それを教えてくれた憧れの先輩の一人である上條(GWA2017 グランプリ上條さん記事)からGWA2018で楯をもらえた瞬間はプランナーとして頑張ってきたご褒美だと感じています。

ウエディングプランナーを長く続けてこられたからこそ「おかえりなさい」「またお会いしましょう」「いつでも待っています」そんな言葉が増えたと感じます。長く続けられるように先輩たちが困ったときには助けてくれていたことに感謝をし、今度は私がそんな存在になっていきたいです。

GWA受賞後の変化(ご自身・周囲)

GWAの後に結婚式を控えていたお客様からは、祝福のメッセージに加え「結婚式が楽しみになりました!」とのメッセージを多数いただきました。GWAがお客様の結婚式への期待感を高めるきっかけに繋がったことは、とても嬉しかったです。
また、過去に結婚式を担当させていただいたおふたりや親御様からも連絡をいただきました。きっとメッセージをくださった方々は私との結婚式準備の時間を少し思い出してくださったのではないかと思います。私との時間を思い出すということはおふたりで準備をし、迎えた結婚式のことも思い出してくださったと思います。
結婚し、結婚式を挙げ、数年経ったときに夫婦の原点に帰る時間は年月が経てば経つほど自分たちで創り出すことは難しいことかもしれません。おふたりの原点に帰るきっかけをつくることが出来る場所が結婚式場であり、ウエディングプランナーだと思うので、今回のGWAへの登壇を知ったおふたりの日常に少しでも『結婚式』を思い返していただけるきっかけを作ることが出来たなら、プランナーとしてとても嬉しく幸せに思います。
そしてGWAではたくさんの方々との出会いがあり、そこで繋がったご縁が年々深くそして広がっていくことが本当に嬉しいです。皆さん、いつもありがとうございます!そして、これからもよろしくお願いします。

これからも止まることなくおふたりを幸せな未来へ導き続けたい、そう思います。私たちの仕事は結婚式という一日を通してお客様の未来までもっと幸せなものに変えていける最高の仕事です。この仕事を通し、これからも自分自身を磨き成長し続けていきたいと思います。

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