リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

第2弾 平野 由夏さんさん(星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート)

第8回目のGOOD WEDDING AWARDで準グランプリ賞を受賞

2011年に新卒で星野リゾートに入社
旅館やリゾートホテルでのサービス経験を経て、2012年12月より軽井沢ホテルブレストンコートへ異動。
現地軽井沢で2年、東京で5年、成約後のお客様と打ち合わせを行うコーディネーター業務をメインに勤務。
その他、新規案内や新設会場のコンセプトやオペレーションの開発などにも関わる。

プランナーの仕事を目指したきっかけ

ウエディングプランナーになりたいと思い始めたのは、大学で就職活動をしていた時です。
最初は人の笑顔を近くで見られる仕事に就きたい、という理由からサービス業を幅広く見ていました。
ただ、志望動機などを述べながら段々としっくりこなくなってきて…。
改めて考えた時、その場でサービスを提供するだけではなく、お客様と一緒に創り上げ、一緒に笑顔になれる
そして、その時、その日だけでなく、ずっと人生に寄り添っていられるような特別な日に関われる
仕事を通してそんな特別な存在になれたら、なんて幸せなんだろうと思い始めました。

学生時代はダンスをやっており、高校ではチアダンスで真夏の炎天下の中野球部の応援をしたり、大学時代は300人ほどの大人数のサークルに所属し、1年に一度大きな公演を行ってきました。練習での苦労、友人との練習、ぶつかり合い、そんなことも含めて迎えた当日の1日は、自身の人生に寄り添い続けるような特別な思い出になっています。

人を喜ばせることや人の笑顔が好き、一人ではなく、人と一緒に何かを作り上げる過程や達成感が好き、そしてその場だけでなく、これからもずっと思い出の中でお客様の人生に寄り添い続けられる、喜びと責任感とやりがいが共存するような仕事を探し始めた時、”結婚式”という場が思い浮かびました。結婚式への参列経験はありませんでしたが、結婚式は人生の中で大切な人たちが集まり笑顔あふれる1日、プランナーはそんな特別な1日を二人と一緒に、そして沢山の仲間と創り上げる人、そんなイメージから「ウエディングプランナーって仕事とは割り切れないくらい幸せな仕事かもしれない」と思い、一気にウエディングプランナーの仕事に惹かれていきました。

印象に残った過去の企画(苦労した経験)

配属されて半年ほどで担当させていただいたお客様のことです。
富山在中だったお二人ですが、私たちが挙式の運営を行なっている「石の教会 内村鑑三記念堂」の唯一無二な様子に強く惹かれ、軽井沢での結婚式を選んでくださっていました。
打ち合わせは順調に進んでいましたが、前日急にお電話をいただき「新郎の両親が仏教徒で、キリスト教の挙式には参列できないと言っています。どうしましょう」とのこと。教会はキリスト教の挙式のみを行っているため、人前式はできません。正直前日の急な相談に頭が真っ白になりました。
お二人の教会への思いも沢山伺っていた為、親御様を説得していただくことなども伝えましたが
やはりお二人はご両親には喜んで挙式に立ち会ってほしいという気持ちが強く、何度もやり取りをした結果、最終的に教会ではなく、パーティ会場にて人前式を行うことになりました。

23時頃会場に到着されたお二人は、いつもの笑顔ではなく、涙で目を潤ませ、とても悲しい顔をしていました。
「両親のこともあるし人前式をやるって決めたけど、教会で式をすることを今までイメージしていたからとても悲しくて。」お二人の気持ちを知っているからこそ本当に心苦しかったのですが「教会の式に負けないくらい絶対に素敵な1日にします。どうか信じて、明日は楽しんでください」と伝え、お部屋でお休みいただきました。

前日の夜中に何ができるのか、
会場で人前式の経験もなかった私は、
お二人の気持ち、そしてお二人の結婚式を最高の1日にしたいという思いを伝えることが
自分に出来ることだと思い、各部署の担当者へ相談をしました。

当日の会場は、バージンロードの代わりにセットされたキャンドルの花道と華やかな装花で、素敵な誓いの場の装いになっていました。そしてそこにはお二人にどうしたらもっと喜んでもらえるか、と一生懸命話し合っているスタッフの姿がありました。各担当スタッフがお客様の大切な1日の為に懸命に動いている、その様子を見て、自信を持ってお二人の結婚式を迎えられると感じられました。

人前式は幻想的かつ厳かさを感じられる雰囲気で、その後の会食会は雰囲気を変えアットホームに楽しんでいただきました。ゲストからも、会場に入った時に「わぁ!素敵」という声が漏れ、ご両親含め皆様の笑顔に包まれる時間となりました。

会食会が終わった後、自分の気持ちを綴った手紙をお渡しし、お話をさせていただきました。
とても晴れやかな笑顔と「みんなもとても喜んでくれて…本当に思い出に残る素敵な1日になりました。」という言葉を聞き、自然と涙が溢れてきたことを覚えています。

この1日は、私に色々なことを教えてくれました。
お二人や家族にとって、取り返しのつかない大切な1日を任されているという責任。
状況を気にして諦めるのではなく、二人の気持ちに寄り添い、動くことの大切さ。
そして気持ちを受け取った時に、同じ思いで動いてくれるプロフェッショナルなチームメンバーがいること。
この日から6年が経ちましたが、今でも心に残る思い出深い1日です。

平野さんが過去企画した結婚式での一枚
(列席者に負荷をかけない、自由と上質が調和する結婚式「Harmony」をテーマに企画)

仕事にかける流儀、想い

私がこの仕事において大切にしていることは大きく2つあります。1つは、二人にとって式当日だけでなく、準備期間もかけがえのない時間にしてほしいという思いです。
結婚式の準備期間は人生の棚卸しができる日と言いますが新郎新婦それぞれの振り返りだけでなく、今まで別々の道を歩んでいた二人が、その思い出を共有しもっとお互いの人生に寄り添い合うことが出来る、そんな特別な期間だと思っています。
知らなかった過去の思い出を知ること、それぞれの時代に一緒に過ごしてくれた大切な家族や友人への思いを聞くこと、時には思いや意見をぶつけること、そんな経験から二人の絆をもっと深めてほしい。
そして周りにいる家族や友人との今までの思い出も振り返って、もっと想いを深めてほしい。
その期間に自分が関わることで、更に一歩絆を深めるきっかけを生み出せれば、自分が携わる意味がある、と感じています。

「お二人の思い出の写真やアルバムを用意してみてください!ご実家は遠方だと思いますが、親御様とお話ししながら探すのも楽しいですよ。小さい頃に作ってくれたアルバムは、親御様の思いが沢山込められているはずですね。」「クイズの景品は今お住まいの地域の銘菓や特産品はどうですか?まだ引越しされて間も無くあまり散策もされてないと伺っていたので、ぜひこの機会にお散歩がてら街を歩いてみてください」など、お節介ながらも準備の時間がより意味のあるものになるようなご提案もしています。
二人にとって式当日だけでなく、準備期間もかけがえのない時間になれば、結婚式後の人生は、もっと強い絆で、家族、周りの大切な人たち、そしてお互いが結ばれた幸せな人生になるはず。
そんな思いが伝わると、より心を開いてくださり、様々なご相談や思い出話をしてくださるようになる、それがとても嬉しいです。

そして、もう1つは、参列者目線で意見を伝えることです。
二人のやりたいことを叶えることはもちろん二人の幸せになりますが
それ以上に、来てくれた大切なゲストに楽しんでもらう、幸せを感じてもらうことこそが
二人の幸せに繋がると感じています。
この時参列の方がどんな気持ちになるのか、
どうすれば参列の方にとってもっと楽しい時間になるのか…
時にはゲストに負荷をかけてしまうかも、と理由をきちんとお伝えしつつ
おっしゃるご希望を今一度考えてもらうようお願いすることもあります。
もちろん二人のやりたい!の理由を汲んだ別のご提案もお伝えするようにしています。

二人の意見を取り入れるだけの1日にせず、かと言って自分だけが決める1日にもしない
三人で一緒に頭を悩ませながら考えていくことが、
予想以上の1日を作り上げる為には大切なことだと思っています。

この仕事の喜びは、お客様と当日だけでなく、ずっと繋がり続けられることです。
今まで担当させていただいた沢山のお客様とは
毎年年賀状のやり取りをしていたり、
「近くに来たんで!」と4〜5年ぶりに立ち寄ってくださる等
様々な形で繋がり続けています。
以前出産した当日に写真付きで報告を下さったご新婦様がいらっしゃり、
私はそのお返事として初めてお子様のお名前が記されたお手紙を送らせていただきました。
そんなやり取りが何年たっても出来るくらい、お二人の人生に深く関わることが出来る、
とても幸せな仕事だと感じています。

GWA受賞後の変化

受賞後は、専門誌やWEBページのインタビュー、また採用のサイトに掲載するコメントなど、今までに経験していなかった様々な機会をいただき、自分の中で大切にしていることや思いを改めて振り返る時間をいただけたことはとても貴重でした。
ただ、私にとってはそれ以上にGWAを通して多くの方と出会うことが出来たことがとても大きかったと感じています。

実は昨年入籍をし、仕事を続けていくかどうか悩んでいた時期がありました。
仕事は妥協なく行いたい、ただこの仕事に就いているからこそ、自分自身の人生の節目の出来事も中途半端にしたくない、そんなジレンマを抱えていた時期にこのGWAに出会うことが出来ました。

今まで社外のプランナーと話をする機会もほとんどなく、
社内での歴だけを重ねてきた私にとって、GWAの場で出会った先輩方、
そして同じ場所に登壇した7人のメンバーとの出会いは衝撃的でした。
こんなにも結婚式のことを熱く考えている人がいる、
こんなにも新郎新婦様一人一人に真摯に向き合っている人がいる、
こんなにも魅力的なプランニングがある。
そんな沢山の衝撃に出会い「やっぱり結婚式の仕事が好き」「もっともっと良い結婚式を創りたい」と強く感じる機会となりました。
そして人の幸せを心から祝うことが出来る、
尊敬できるメンバーと”同期”と呼べる関係になれたことは
私の人生にとって大きな財産になったと思っています。

その後上司や支配人とも何度も話をさせてもらい
仕事を辞める、という選択ではなく、バランスを整えるという新しい選択をさせてもらいました。
自身の結婚式前には少し長めのお休みをいただきました。
結婚式という1日が、人生においてどれだけ大切な物であるかを感じていたからこそ
妥協なくしっかり話し合い、思い出し、今までの感謝を感じられる節目にしたいと考えていました。
その思いを会社も理解してくださり、特別な時間をいただき、ゆっくり自分の今までとこれからに向き合う時間を過ごせたことには本当に感謝しています。
自身が経験することで初めて新郎新婦様の大変さや苦労も知ることが出来ましたし
準備期間も含めてやはり結婚式は特別で幸せの溢れる時間であることも実感しました。
そして「やっぱり結婚式の仕事が好き。
これだけ素敵な1日をお手伝いできる仕事って幸せだ」と
自分の気持ちを再確認することが出来ました。

人生に寄り添う仕事だからこそ、責任も重大、仕事量も多いため、様々な理由からこの仕事を続けることを諦めている人も沢山いると思います。
それぞれの背景や環境を踏まえて、色々な働き方で納得しながら仕事を続けることが出来る
そんな一つの形になれればと、現在奮闘中です。

私にとってかけがえのない経験となったGWA。
ぜひ後輩たちにも同じ体験をしていただきたいと願い、今年も一緒に頑張りたいと思います。

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