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第5弾 鈴木 温子さん ブルーレマン名古屋(所属:株式会社ブラス)

第10回目のGOOD WEDDING AWARDでグランプリを受賞 GWAにエントリーした回数は今回が5回目

大学卒業後、2006年に株式会社ブラスへ新卒として入社。ブルーレマン自由が丘のウエディングプランナーに配属される。その後、2012年にブルーレマン名古屋チーフプランナーを経て、2014年に同会場の副支配人への昇格。一貫制のウエディングプランナーとして現役で結婚式を担当しながら、店舗運営も行う。2015年には副支配人を兼務した形で、ブラス初の「エグゼクティブプランナー」に昇格。各店舗のチーフプランナーたちの指導や、ブラス全体のプランニングスキル向上を目指すための活動。さらに、ウエディングプランナーの仕事・ブラスの魅力を発信するため、社外での講演や広報活動にも従事。「枠を出ずに期待を超える結婚式」を実現するために、日々探求し続けている。

プランナーの仕事を目指したきっかけ

大学入学時には、教員を志していた私。自分が結婚式の仕事に関わるなんて夢にも思っていませんでした。しかし、就職活動の時期を迎えて、仕事への考え方が少しずつ変わっていきました。

「仕事とは、何かをして誰かからお金をもらうこと。せっかく働くなら、誰かを笑顔に、幸せにすることで自分もやりがいを感じられるような仕事を選びたい。」そんな風に考えていくうちに、人生の中で最も華やかで楽しい日を創る「ウエディングプランナー」という仕事を知り、心惹かれていきました。そんな中、出会ったブラスという会社。企業理念「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」や、社長の熱い想いに共感し、入社を決意。結婚式の知識は全くないままに、この業界に飛び込みました。憧れだったウエディングプランナーになることができ、先輩プランナーが創る結婚式に感動し、心動かされる毎日。それぞれの新郎新婦にあわせた100組100通りの結婚式や、それをスタッフ全員が一丸となって創り上げていく姿を間近で見ているうちに、ウエディングプランナーという仕事の魅力にとりつかれ、どんどんハマっていきました。

印象に残った過去の企画(苦労した経験)

そんな充実した日々の中で、私は「2本の柱」に悩まされることになります。

最初に配属された式場の披露宴会場内には、両家の家族席から新郎新婦の高砂席までの間に「2本の柱」が立っていました。建物の構造上、どうすることもできないこの柱。もちろん配席の工夫はしていましたが、それでも新規のご案内時や、打ち合わせ時に「家族席から新郎新婦の姿が見えないのではないか」とご指摘をうけることが多々ありました。また、披露宴会場内の柱、というハード面の懸念がぬぐい切れずに、ご成約に結びつかないことも。「ウエディングプランナーは鈴木さんが1番でしたが、柱が気になるので別の会場にします」と言われた時は、とても辛く悩みました。

そこからは「ハードを超える提案をしていこう」と心を新たにしました。2本の柱というハード面を超えるだけのプロとしての提案を、私はまだ新郎新婦にできていないのだと気づいたのです。

この会場でふたりらしさを表現するためには、どうしたらいいのか。高砂の位置の変更、演出を行う場所や置き場所の変更、ガーデンでの乾杯からパーティーをスタートする進行、など新郎新婦に合わせた様々なアイデアを考えました。仲間のウエディングプランナーや厨房スタッフ、パートナー業者のみなさまとたくさん相談しながら進めていきました。私が行う新しいチャレンジを、上司も先輩も温かく見守り、協力し、時には+αの提案をくれました。スタッフ全員の協力を得ることができ、私はとことんふたりの想いに寄り添って、会場をフルに活かした結婚式を提案することができたのです。自分が実際に担当した結婚式の経験に加え、ハードを超える提案を繰り返していくことで、「鈴木さんと結婚式を創りたいです」と言っていただけるお客様が少しずつ増えていきました。大事なことは、結婚式場ではなく、私というウエディングプランナーを選んでもらうこと。プロならではの提案力を通して、私たちと一緒に結婚式を創りたいと思ってもらうことが大事だと気づかされたのです。

当時の経験はもちろん、過去の経験はひとつも無駄にはならず、すべてが今の私のマインドや引き出しになっています。私のモットーである「枠は出ずに期待を超える結婚式」という考え方の原点でもあります。今現在、様々な葛藤を抱えながら結婚式を創っているウエディングプランナーさんたちには「今のその経験は何ひとつとして無駄にはならない」ということを、私のエピソードを通じて知ってもらえたら嬉しいです。この仕事に無駄な経験はひとつもないのですから。

ご自身の仕事にかける流儀・思い

私が結婚式を創る上で、ずっと大切にしている想い。
それは、「枠は出ずに期待を超える結婚式」を創ること。そして、列席した方に「こんな結婚式なら私もやってみたい」と思ってもらえるような一日を創ることです。

そのために、プランニングで気を付けているのは、結婚式とはこうあるべきと決めつけないこと。新しい価値観や家族の形、結婚式の選択肢がたくさんある中で、新郎新婦のご要望は以前よりもずっと細かく多岐に渡ります。ヒアリングで新郎新婦から出てきたワードをそのまま受け取らず、様々な視点で眺めてイメージを広げる。新郎新婦の想いに寄り添い、おふたりらしさを結婚式にどう活かせるか考えていく。過去に自分が創った結婚式にとらわれないようにすることも意識しています。
その一方で新郎新婦が望むまま、何でも叶えて差し上げることがすべてではないとも考えています。SNS映えする演出や、カジュアルな内容、見たことのないような斬新な進行をお客様から望まれることもあります。それも時には必要ですが、おふたりらしさを出しつつも、守るべき一線というのがあると私は思っています。大切なゲストが一同に集まる結婚式。ご祝儀をもって正装して来てくださるゲストを裏切らない、という視点は常に意識しています。結婚式を一緒に迎えるゲストはどう感じるのか、会場はどんな雰囲気になるのか。価値観も年齢も異なるゲストが、非常識だと感じないように、置いてきぼりにならないようにするにはどうしたらよいか。ゲストへの細かな配慮や進行の順番まで、プロとして客観的にアドバイスすることを心掛けています。結婚式の伝統やルールは守りながらも、進化させ、おふたりらしさを印象づける。新郎新婦やゲストの期待を超える結婚式を創るのが、日々の私の目標です。また、様々な価値観に寄り添った結婚式を丁寧に創ることで、列席した一人でも多くの方に「こんな結婚式なら私もやってみたい」と思ってもらえたら…それこそが究極のファンづくりだと思っています。

また、GOOD WEDDING AWARD2019の発表でも伝えた「その先の未来へより良く残す」こと。人の記憶は曖昧でどんどん薄れてしまいますが、映像や写真は何十年も残ります。新郎新婦やゲストが見返したときに「いい結婚式だった」と感じてもらえるような言葉、表情、美しさをしっかり残しておくことはとても大切だと思います。だからこそ、結婚式当日は、新郎新婦を動かす位置、演出のタイミング、担当プランナーとして介添えをする自分の立ち振る舞いにも常に意識を払っています。結婚式をどう残すかで、その先の未来が変わる。だからこそ、私たちウエディングプランナーの責任は重大だと感じています。

GWA受賞後の変化(ご自身・周囲)

GOOD WEDDING AWARDにエントリーするまでは、「自分たちの創る結婚式が1番で、誰よりも情熱的にお客様と向き合っている」と信じて疑わなかったように思います。しかし、GOOD WEDDING AWARDのファイナリストの方たちのプレゼンや、会場でのウエディングプランナーさんたちとのコミュニケーションを通して「自分はうぬぼれていた」と強く感じるようになりました。日本中には、熱い情熱をもって日々結婚式と向き合っているウエディングプランナーさんがこんなにもたくさんいるのだと。そして、まだまだ私にできることは山ほどあるのだ、と改めて気づかされました。
そこから5年間、日々結婚式と向き合い、試行錯誤を繰り返しながら、GOOD WEDDING AWARDにもエントリーし続けました。スキルアップはもちろん、ウエディングプランナーとして生きてきた証をどこかで残してみたい、そんな想いもありました。そして2019年、夢だったファイナリストになり、グランプリを授賞することができました。「この仕事を続けてきてよかった」と純粋に思いましたし、今まで自分が信じてきたことは間違いではなかったと自信を持てるようになりました。

また、社内・社外の反響は、とても感慨深いものがありました。いままで私を育ててきてくれた社長や、苦楽をともにしてきた仲間、パートナー企業のみなさま。そして、今まで担当させていただいたお客様が、想像以上に喜んでくれました。一緒に働いているメンバーからは「長年この仕事をしていると心が折れそうになることもありますが、今までやってきたことを、これからも大切にし続ければいいのだと感じました」という手紙をもらいました。自分の経験や存在が、誰かの心を支える存在になることができたなら、こんなに嬉しいことはありません。
さらに、私がグランプリを授賞したことで、今まで以上に社内のプランニングへの意識が高まってきたように感じます。結婚式の進行や打ち合わせについて、スタッフ全員で考える機会が増え、個別で相談を受けることも多くなりました。社外での講演や広報活動をする機会も増えました。ブライダル業界を担う1人として、結婚式の価値を、世の中に発信し続けることの大切さを日々感じています。
どれだけ努力を尽くしても100点満点が自分で出せないところが、この仕事の魅力。だからこそこれからも続けていきたいですし、「枠は出ずに期待を超える結婚式」を追求したいです。GOOD WEDDING AWARDでの経験すべてが、これからのプランナー人生の財産になる、今はそう確信しています。

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